パート・学生バイトの家族は扶養に入れる?令和8年分の年収早見(給与収入→給与所得→62万円判定)

令和8年分(令和8・9年分)の年末調整で、家族のパートや学生バイトの収入が扶養親族・同一生計配偶者の「合計所得金額62万円以下」に収まるかを、給与収入から給与所得への換算(最低保障74万円、給与収入69万1,000円以上220万円未満の特例)、62万円判定の順に整理しました。配偶者のパート、大学生の子のバイト、勤労学生の3パターンで、早見表と計算例を国税庁『令和8年分 年末調整のしかた』の数字にそろえて載せています。
📋目次(タップで折りたたみ)全 12 項目
- 家族のパートやバイトが扶養に入れるかは、給与収入ではなく「合計所得金額」で判定します
- 令和8・9年分は、給与収入74万1,000円以上219万1,000円未満なら、給与所得=給与収入−74万円です
- 扶養親族・同一生計配偶者の線は合計所得金額62万円以下。給与だけなら給与収入136万円以下です(74万円+62万円)
- 給与収入69万1,000円以上74万1,000円未満の給与所得は、国税庁の表で**「なし」**です
- 勤労学生は合計所得金額89万円以下(給与だけなら163万円以下)です
- ここで書くのは所得税の話です。扶養手当や健康保険の扶養は別の基準です
「家族のパート代、いくらまでなら扶養に入れておける?」という疑問は、毎年この時期に出てきます。
今年は令和8年度税制改正で数字が動いているので、去年の覚え方のまま判定すると食い違う可能性があります。この記事では、改正の全体像ではなく、家族の収入を実際に当てはめる手順に絞ってまとめます。

地方公務員のヒロです。
改正の全体像や、12月1日施行という時期の話は『令和8年分の年末調整は「12月にまとめて精算する年」』に、還付の目安は『公務員の年末調整2026』にあります。
この記事は、家族の収入をどう判定するかだけを扱います。
- 給与収入から給与所得へ換算する手順(最低保障74万円と、69万1,000円以上220万円未満の特例)
- 62万円判定の使い方(扶養親族・同一生計配偶者/特定親族/配偶者特別控除/勤労学生)
- 配偶者のパート・大学生の子のバイト・勤労学生の3つの当てはめ例
- この記事で判定できないこと(住民税・扶養手当・健康保険など)
1. 判定は3ステップ:給与収入 → 給与所得 → 62万円
扶養親族等の判定に使うのは、収入そのものではなく所得です。給与の場合は、収入から給与所得控除を引いたものが給与所得になります。
| ステップ | やること | 令和8・9年分の数字 |
|---|---|---|
| 1. 給与収入を出す | その年の1月から12月に支払を受ける給与の合計見込みを出す(源泉徴収票の支払金額が目安) | 家族の給与明細や源泉徴収票で確認 |
| 2. 給与所得に換算する | 給与所得控除(最低保障74万円)を引く | 収入74万1,000円以上219万1,000円未満なら「収入−74万円」 |
| 3. 区分の線と比べる | 合計所得金額が、62万円・123万円・133万円・89万円のどこに入るかを見る | 扶養親族等は62万円以下 |
判定に使うのは合計所得金額です。この記事の早見は「収入が給与だけの場合」で、国税庁の表のかっこ書きと同じ前提です。副業や年金などの所得がある家族は、そのぶんを加えて判定します。
2. 給与所得控除の最低保障74万円と、69万1,000円以上220万円未満の特例
国税庁『令和8年分 年末調整のしかた』によると、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円に引き上げられました(令和8・9年分)。
| 給与等の収入金額 | 給与所得控除額(令和8・9年分) | 改正前 |
|---|---|---|
| 190万円以下 | 74万円 | 65万円 |
| 190万円超220万円以下 | 74万円 | その収入金額×30%+8万円 |
さらに、令和8・9年分の給与等の収入金額が69万1,000円以上220万円未満の場合、その給与等に係る給与所得の金額は、上の表にかかわらず次の金額とすると定められています。
| 給与等の収入金額 | 給与所得の金額 |
|---|---|
| 69万1,000円以上74万1,000円未満 | なし |
| 74万1,000円以上219万1,000円未満 | その収入金額−74万円 |
| 219万1,000円以上219万3,000円未満 | 145万1,000円 |
| 219万3,000円以上219万6,000円未満 | 145万3,000円 |
| 219万6,000円以上220万円未満 | 145万6,000円 |
家族のパート・バイトで判定に使うのは、ほとんどが**2段目(74万1,000円以上219万1,000円未満)**です。69万1,000円未満の場合や、220万円以上の場合は、国税庁の表(『令和8年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表』)でご確認ください。
最低保障74万円は令和8・9年分の欄に置かれています。令和10年分以後は別の表になるため、「136万円」という収入ベースの目安も年分によって変わります。根拠は合計所得金額62万円のほうと覚えておくのが安全です。
3. 62万円判定の線
扶養親族等の所得要件は、令和8・9年分で次のとおりです(国税庁の表。かっこ内は収入が給与だけの場合の収入金額)。
| 区分 | 合計所得金額 | 給与収入だけの場合 | 改正前 |
|---|---|---|---|
| 扶養親族/同一生計配偶者/ひとり親の生計を一にする子 | 62万円以下 | 136万円以下 | 58万円以下(123万円以下) |
| 特定親族 | 62万円超123万円以下 | 136万円超197万円以下 | 58万円超123万円以下(123万円超188万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象となる配偶者 | 62万円超133万円以下 | 136万円超207万円以下 | 58万円超133万円以下(123万円超201万5,999円以下) |
| 勤労学生 | 89万円以下 | 163万円以下 | 85万円以下(150万円以下) |
3-1. 給与収入と判定の早見表
2段目の式(収入−74万円)で換算した早見です。数字は国税庁の線と一致します(74万+62万=136万、74万+123万=197万、74万+133万=207万、74万+89万=163万)。
| 給与収入 | 給与所得 | 62万円以下? | 当てはまる区分(所得要件のみ) |
|---|---|---|---|
| 70万円 | なし | はい | 扶養親族・同一生計配偶者の範囲 |
| 100万円 | 26万円 | はい | 扶養親族・同一生計配偶者の範囲 |
| 120万円 | 46万円 | はい | 扶養親族・同一生計配偶者の範囲 |
| 136万円 | 62万円 | はい(ちょうど) | 扶養親族・同一生計配偶者の範囲 |
| 137万円 | 63万円 | いいえ | 特定親族/配偶者特別控除の範囲 |
| 150万円 | 76万円 | いいえ | 特定親族/配偶者特別控除/勤労学生の範囲 |
| 163万円 | 89万円 | いいえ | 勤労学生の上限(ちょうど) |
| 164万円 | 90万円 | いいえ | 勤労学生の範囲外 |
| 197万円 | 123万円 | いいえ | 特定親族の上限(ちょうど) |
| 207万円 | 133万円 | いいえ | 配偶者特別控除の上限(ちょうど) |
| 210万円 | 136万円 | いいえ | どの区分の範囲も超える |
年齢や生計を一にしているか、本人の所得などの他の要件は別にあります。扶養親族や特定親族の年齢、納税者本人の所得による区分などは、この記事では扱いません。国税庁の案内や所属の給与担当でご確認ください。
4. 家族構成別の当てはめ
4-1. 配偶者がパートで働いている場合
月の給与から年収を見込みます(賞与や交通費の扱いは勤務先の源泉徴収票で確認します)。
| パートの年収見込み(月額×12) | 給与所得 | 所得要件の判定 |
|---|---|---|
| 月10万円×12=120万円 | 46万円 | 62万円以下=同一生計配偶者の所得要件に収まる |
| 月11万円×12=132万円 | 58万円 | 62万円以下=収まる |
| 月11.5万円×12=138万円 | 64万円 | 62万円超=配偶者特別控除の範囲(133万円以下) |
| 月17.5万円×12=210万円 | 136万円 | 133万円超=配偶者特別控除の範囲外 |
月11.3万円なら年135.6万円で、給与所得は61.6万円。136万円ちょうどの手前でも、月の途中で収入が増えると線を越えるので、年の途中で見込みを見直すと安心です。

気をつけたいのは、税の線(62万円・136万円)と、扶養手当や健康保険の線が別物という点です。
税で収まっていても、他の制度は別の基準で動いています。
4-2. 大学生の子がアルバイトをしている場合
| バイトの年収見込み | 給与所得 | 所得要件の判定 |
|---|---|---|
| 90万円 | 16万円 | 62万円以下=扶養親族の所得要件に収まる |
| 136万円 | 62万円 | 62万円以下(ちょうど)=収まる |
| 150万円 | 76万円 | 62万円超123万円以下=特定親族の範囲 |
| 197万円 | 123万円 | 特定親族の上限(ちょうど) |
| 200万円 | 126万円 | 123万円超=特定親族の範囲外 |
収入が136万円を超えても、ただちに「扶養から外れて何も受けられない」わけではありません。62万円超123万円以下は特定親族の区分です。特定親族の年齢などの他の要件は、国税庁の案内でご確認ください。
4-3. 学生本人が勤労学生に当てはまるか
勤労学生の所得要件は、令和8・9年分で合計所得金額89万円以下(給与だけなら給与収入163万円以下)です。改正前は85万円以下(150万円以下)でした。
| バイトの年収見込み | 給与所得 | 勤労学生の所得要件 |
|---|---|---|
| 160万円 | 86万円 | 89万円以下=収まる |
| 163万円 | 89万円 | 89万円以下(ちょうど)=収まる |
| 165万円 | 91万円 | 89万円超=収まらない |
勤労学生に当てはまるかには、学校などの要件もあります。ここで確認できるのは所得の線だけです。要件の詳細は、国税庁の案内でご確認ください。
5. 特例の計算例(給与収入69万1,000円以上220万円未満)
- 給与収入70万円:69万1,000円以上74万1,000円未満なので、給与所得はなし
- 給与収入100万円:74万1,000円以上219万1,000円未満なので、100万円−74万円=26万円
- 給与収入136万円:136万円−74万円=62万円(扶養親族等の線ちょうど)
- 給与収入219万5,000円:219万3,000円以上219万6,000円未満なので、給与所得は145万3,000円
家族の収入見込みは、月ごとに追っておくと年末に慌てません。
マネーフォワード MEは口座を連携するだけで、月ごとの入金額が自動で記録されます。家族のパート代やバイト代を月ごとに見込む材料として、年の途中で数字を確認できます。無料から使えます。
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6. この記事で判定できないこと
- 住民税の扶養などの基準(この記事では扱いません)
- 公務員の扶養手当……国家公務員は人事院規則、地方公務員は各自治体の条例・規則が根拠です。税法の改正で自動的に変わるものではありません
- 共済組合・健康保険の被扶養者……各保険者の認定基準です
- 年末調整での申告書の書き方……『年末調整の書き間違い3か所』にまとめています
扶養手当の見直しについては『扶養手当の廃止と公務員の家計』を、親が年金を受け取っている場合の手続きは『親に届く「令和9年分 扶養親族等申告書」の出し方』をご覧ください。
7. まとめ
- 判定は給与収入 → 給与所得 → 合計所得金額の線の順
- 令和8・9年分は、給与収入74万1,000円以上219万1,000円未満で給与所得=収入−74万円。給与収入69万1,000円以上74万1,000円未満は「なし」
- 扶養親族・同一生計配偶者は62万円以下(給与だけなら136万円以下)
- 特定親族は62万円超123万円以下(136万円超197万円以下)、配偶者特別控除は62万円超133万円以下(136万円超207万円以下)
- 勤労学生は89万円以下(163万円以下)
- 令和10年分以後は表の形が変わります。住民税・扶養手当・健康保険の扶養は別の基準です

家族の収入を一度、収入から74万円を引くところまでやってみると、線との距離が見えてきます。
年の途中でも、見込みを出し直せるうちに確認しておくのがおすすめです。
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- 扶養手当の廃止と公務員の家計 — 税の扶養と給与制度の扶養手当は別物
本記事は2026年11月2日時点で公表されている国税庁『令和8年分 年末調整のしかた』の改正点の解説部分をもとにした情報提供であり、特定の金融商品・サービスの購入や申込を勧誘するものではありません。基礎控除、給与所得控除の最低保障額、給与所得の金額の特例、扶養親族等の所得要件に関する数字は、いずれも令和8・9年分のものです。給与収入69万1,000円未満、220万円以上、給与以外の所得がある場合、年齢や生計の要件、特定支出控除や所得金額調整控除の適用がある場合は、本記事の早見表と異なります。住民税、公務員の扶養手当、共済組合や健康保険の被扶養者の基準は別の制度であり、本記事の数字をそのまま当てはめることはできません。ご自身や家族の判定、年末調整や確定申告の方法は、必ず所属の給与担当、所轄の税務署または税理士にご確認ください。
参考(2026年11月2日時点)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」改正点の解説部分(PDF・3〜4ページ):https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/pdf/102.pdf
- 国税庁「年末調整がよくわかるページ」:https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm

公務員ヒロ
30代地方公務員 / 資産1,000万円超達成(民間→地方公務員)
「給料だけで資産1,000万円を超えるまでにやったことを、再現性重視で発信中。難しい知識は不要。」

