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公務員が「報酬ゼロ」でAI副業の実績を積む方法|親族の事業を手伝うときに越えてはいけない3つの線

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📅 公開: 2026.09.09🔄 更新: 2026.09.09⏱ 読了: 約29
公務員が「報酬ゼロ」でAI副業の実績を積む方法|親族の事業を手伝うときに越えてはいけない3つの線

国家公務員法104条と地方公務員法38条が許可の対象にしているのは「報酬を得て」従事する場合です。人事院の義務違反防止ハンドブックにも「職務以外の事業等に無報酬又は単発で従事する場合は、第104条の許可の対象とはなりません」と明記されています。ただし役員兼業は「名義のみであったとしても該当し、報酬の有無も問いません」。31歳・地方公務員のヒロが、親族の事業をAIで手伝いながら実績だけを積むときに越えてはいけない3つの線(役員にならない/実質の経営者にならない/所属の内規を飛ばさない)を、e-Gov法令検索の条文原文と人事院・内閣人事局の資料だけで整理しました。無報酬でも残る職務専念義務・秘密保持・信用失墜行為の禁止、「報酬」の定義、確認できず書かなかったことも正直に載せています(2026年9月9日時点)。

📋目次(タップで折りたたみ)27 項目
⚠ 本記事はPR・広告を含みます。商品・サービスの紹介には、ぼくがアフィリエイトプログラムを通じて報酬を受け取る場合があります。
💡先に答え:報酬を受け取らなければ「従事制限」の対象にはなりません。ただし別の線が3本あります
  • 国家公務員法104条と地方公務員法38条が許可の対象にしているのは、**「報酬を得て」**事業や事務に従事する場合です
  • 人事院の資料にも**「職務以外の事業等に無報酬又は単発で従事する場合は、第104条の許可の対象とはなりません」**と書かれています
  • ただし同じ文は**「第99条(信用失墜行為の禁止)や第101条(職務に専念する義務)に抵触するものには、当然、従事できません」**と続きます
  • そして役員兼業は「名義のみであったとしても該当し、報酬の有無も問いません」刑事罰の対象にもなり得ます
  • さらに**「名義が他人であつても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合」**は「自ら営利企業を営む」に当たるとされています
  • つまり「報酬をもらわなければ全部セーフ」ではありません。越えてはいけない線が別に3本ある——それがこの記事の中身です

「公務員は副業できない」で思考が止まっている人は、たぶん多いです。

でも、条文を実際に開いてみると、禁止されているものの輪郭は思っていたよりはっきりしています。そして輪郭がはっきりしているということは、その手前でできることも決まるということです。

ヒロ

31歳・地方公務員のヒロです。
ぼく自身は、2026年6月に職場の規定に沿って副業許可を取得しました。だから「許可なんて取れない」とは思っていません。
ただ、この記事で書きたいのはその一歩手前の話です。まだ許可が取れていない人が、処分のリスクを踏まずに実績だけを積む方法があるのか、という話です。

💡この記事で分かること
  • 条文のどこに「報酬を得て」と書いてあるか(国公法103条・104条/地公法38条)
  • 人事院の資料が言う**「無報酬・単発は104条の許可対象外」**という整理
  • 越えてはいけない3つの線(役員/実質の経営者/所属の内規)
  • 無報酬でも消えない4つの義務(職務専念・秘密・信用・利害関係)
  • 「報酬」の定義と、報酬に見えるものの扱い
  • AIで何を手伝えるかと、実績の残し方
  • 本記事で確認できず、書かなかったこと
⚠️この記事の限界を先に書きます

本記事は条文と、人事院・内閣人事局が公表している資料を読んで整理したものです。個別のケースがセーフかアウトかを判定するものではありません。

とくに地方公務員の運用は自治体ごとに異なります。地方公務員法38条2項は「人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる」と定めており、基準を作る権限が自治体側にある構造だからです。最終的な判断は必ず所属の人事担当にご確認ください。

1. まず、条文のどこに「報酬」と書いてあるか

ここを飛ばすと、あとの話が全部ふわっとします。3本の条文を原文で確認します。

1-1. 国家公務員法103条(私企業からの隔離)

職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

読んでいただくと分かりますが、この条文に「報酬を得て」という限定はありません。禁じられているのは「役員等の職を兼ねること」と「自ら営利企業を営むこと」の2つで、対価をもらっているかどうかは書かれていません。

1-2. 国家公務員法104条(他の事業又は事務の関与制限)

職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

こちらは冒頭に「報酬を得て」があります。103条とはっきり書き分けられています。

1-3. 地方公務員法38条1項(営利企業への従事等の制限)

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

地方公務員は、国家公務員の103条と104条に相当する内容が1つの条文にまとまっています。ここが読み違えられやすいところです。

⚠️地公法38条は「報酬を得て」が全部にかかっているわけではありません

条文をよく見ると、禁止されているのは次の3つが並列になっています。

  1. 営利企業の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね
  2. 自ら営利企業を営み
  3. 報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事

「報酬を得て」が付いているのは3つめだけです。1と2には付いていません。つまり役員に就くこと・自ら営むことは、報酬の有無にかかわらず任命権者の許可の対象という構造になっています。

行為国家公務員地方公務員「報酬を得て」が要件か
営利企業の役員等を兼ねる国公法103条(承認)地公法38条(許可)要件ではない
自ら営利企業を営む国公法103条(承認)地公法38条(許可)要件ではない
上記以外の事業・事務に従事する国公法104条(許可)地公法38条(許可)要件(報酬を得る場合)
ヒロ

ここ、ほんとうに大事なところです。
「報酬をもらわなければ全部大丈夫」ではない。報酬の有無で切れるのは、いちばん下の「従事」の行だけなんです。
上2行は、無報酬でも線を越えます

2. 人事院の資料は「無報酬・単発」をどう整理しているか

条文だけだと解釈の余地が残ります。人事院が公表している「義務違反防止ハンドブック」の兼業の章に、この点がそのまま書かれています。

2-1. 104条に当たるための2つの条件

同資料は、104条の兼業に該当する基準として、次の2つを挙げています。

第104条の兼業に該当する基準(人事院の資料より)

以下の要件のいずれも満たす場合には、許可が必要です。

  1. 労働の対価としての**「報酬を得る」**こと
  2. **「定期的又は継続的に従事する」**こと

「いずれも満たす場合」なので、報酬がなければこの基準には当たりません。単発でも同じです。

2-2. そして、こう続きます

同資料の【参考】欄には、この記事の核心にあたる一文があります。

職務以外の事業等に無報酬又は単発で従事する場合は、第104条の許可の対象とはなりませんが、その内容や態様において第99条(信用失墜行為の禁止)や第101条(職務に専念する義務)に抵触するものには、当然、従事できません。

💡この一文が言っていること

前半は**「無報酬なら104条の許可は要らない」**という確認です。ここは、はっきりそう書かれています。

後半は**「だからといって何でもいいわけではない」という留保です。信用失墜行為の禁止職務専念義務**は、報酬のあるなしに関係なく残ります。

つまり無報酬という選択は、規制の1本を外すだけで、他の線はそのままということです。

ヒロ

ネットで「無報酬なら家業の手伝いだからセーフ」と書かれているのを見かけます。
半分は合っていて、半分は足りない。
足りない半分で処分になるのがいちばんつらいので、この記事では残り3本の線に紙幅を使います。

3. ★本題:越えてはいけない3つの線

3つの線
  1. 役員の欄に名前を載せない——名義だけでも、無報酬でも、越えたことになる線
  2. 「決めているのは自分」にならない——名義が親族でも、実質の経営者と見られたら越えたことになる線
  3. 所属のルールを飛ばさない——法律の外側に、自治体・省庁ごとの内規という線がある

3-1. 線1:役員の欄に名前を載せない

人事院の義務違反防止ハンドブックは、役員兼業についてこう書いています。

営利企業の役員(取締役、監査役、理事等)となることは、名義のみであったとしても役員兼業に該当し、禁止されています。報酬の有無も問いません。

そして同じページに、こうも書かれています。

この規定に違反して営利企業の地位についた場合、刑事罰が科されることがあります。

⚠️「役員」の範囲は思っているより広いです

人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用通知(第1項関係2)は、「役員」の範囲を次のように定めています。

「役員」とは、取締役、執行役、会計参与、監査役、業務を執行する社員、理事、監事、支配人、発起人及び清算人をいう。

取締役・監査役だけではありません。支配人・発起人・清算人も入っています。

親族がこれから会社を作る場面で言えば、設立時の「発起人」に名前を並べることも役員の範囲に入る、ということです。「まだ会社ができていないから大丈夫」ではありません。

同資料に載っている懲戒処分の事例も、この線の危うさを示しています。

【事例15】株式会社の設立目的であることを認識の上、5万円の報酬を得て「名義貸し」を行い、同社に登記されたことにより、同社の取締役に就任した → 減給処分

ヒロ

「名前だけ貸してくれない?」は、親族間だといちばん出やすい言葉です。
でも登記された瞬間に、役員兼業です。
親御さんやきょうだいが善意で言っているケースほど断りにくいので、先に「役員は絶対に無理」と伝えておくのが結局いちばん平和だと思っています。

3-2. 線2:「決めているのは自分」にならない

では、名義を全部親族にしておけばいいのか。ここも一次情報がはっきり答えています。人事院規則14―8の運用通知(第1項関係3)です。

「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合をいう。なお、名義が他人であつても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合もこれに該当する。

「名義が他人であつても」。ここが決定的です。形式ではなく実質で見る、と書いてあります。

⚠️「関与の度合い」は、申請書類でも問われています

同じ運用通知の第7項関係には、自営兼業の承認を申請するときの添付資料が列挙されています。そのなかに、繰り返し次の項目が出てきます。

事業主の名義が兼業しようとする職員の名義以外の名義である場合においては、当該事業主の氏名及び当該職員との続柄並びに当該職員の当該事業への関与の度合

事業主が別名義であること自体が想定されていて、そのうえで「続柄」と「関与の度合」を書かせる設計です。名義を親族にすれば見えなくなる、という前提の制度にはなっていません。

さらに、賃貸・太陽光以外の事業についての承認基準(第1項関係5四(2))には、こうあります。

職員以外の者を当該事業の業務の遂行のための責任者としていること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。

責任者が職員以外であることが、そもそも承認の要件として書かれているわけです。

💡線2を踏まないための3つの「しない」

条文と運用通知から素直に導けるのは、次の3つです。

  1. 名義貸しをしない……事業主・代表者・発起人の名義に、自分の名前を使わせない
  2. 最終的な意思決定をしない……何を売るか、いくらにするか、誰と契約するか。決めるのは事業主である親族で、自分は求められたときに手を動かすだけにする
  3. 資金を負担しない……開業資金や仕入れを自分が出すと、実質の経営者に見える方向へ強く傾きます

「頼まれた作業をする人」と「事業を回している人」の違い、と言い換えてもいいと思います。

3-3. 線3:所属のルールを飛ばさない

3本目は、法律の話ではありません。

人事院と内閣人事局が令和8年4月に公表した「一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)」の冒頭には、こう書かれています。

なお、兼業については、法律等に基づく規制のほか、所属組織における内規によって一定の制限や審査等の手続を設けている場合もありますので、必要に応じ、内規の有無及び内容等について、所属組織の人事担当部局に確認するようにしてください。

そして同じ枠の中に、こうもあります。

兼業、あるいはそれに該当しそうな活動をお考えの際は、以下をご参考としていただきつつ、所属組織の人事担当部局にご相談ください。

⚠️地方公務員は、この線がもっと太いです

地方公務員法38条2項は、次のように定めています。

人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

許可の基準そのものを自治体側が作れる構造です。したがって「他の自治体ではこう扱われていた」は、自分の自治体では通用しません。

本記事では、地方公務員の兼業の運用に関する総務省の通知の内容は確認できていないため、記載していません(第8章に書きます)。自分の自治体でどう扱われるかは、内規と人事担当でしか分かりません。

ヒロ

ぼくが副業許可を取ったときに実感したのは、**制度より先に「うちの職場ではどうなっているか」**なんですよね。
法律の話は全国共通でも、書式も窓口も判断の癖も、職場ごとに違う
だから3本目の線は「聞きに行く」以外に越えない方法がありません。

4. 無報酬でも消えない、4つの義務

線を3本守っても、次の4つはそのまま残ります。ここを軽く見た結果の処分がいちばん多い、という印象です。

4-1. 職務専念義務

職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。(地方公務員法35条)

国家公務員法101条1項もほぼ同じ書きぶりで、「その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い」と定めています。

⚠️「勤務時間」だけでなく「注意力」も書かれています

条文は**「勤務時間及び職務上の注意力のすべて」**です。時間だけの話ではありません。

職場のパソコンで親族の店のチラシを作る、勤務時間中にメッセージのやり取りをする、といった形は、無報酬でもここに触れます。私物の端末で、勤務時間外にという原則は、報酬の有無と無関係に必要です。

4-2. 秘密を守る義務

職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。(地方公務員法34条1項)

親族の事業に、自分の職務で知った情報を持ち込むことは、当然できません。「役に立つから」がいちばん危ない動機です。

4-3. 信用失墜行為の禁止

職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。(地方公務員法33条)

前章で引いた人事院の資料も、無報酬・単発の従事について「その内容や態様において第99条(信用失墜行為の禁止)や第101条(職務に専念する義務)に抵触するものには、当然、従事できません」としていました。内容と態様、つまり「何を」「どうやって」の両方が見られます。

4-4. 利害関係

自営兼業の承認基準に出てくる「特別な利害関係」の定義が、考え方の参考になります。運用通知(第1項関係6)はこう定めています。

前項の「特別な利害関係」とは、補助金等の割当、交付等を行う場合、物件の使用、権利の設定等について許可、認可、免許等を行う場合、生産方式、規格、経理等に対する検査、監査等を行う場合、国税の査定、徴収を行う場合等監督関係若しくは権限行使の関係又は工事契約、物品購入契約等の契約関係をいう。

⚠️自分の職場が「相手側」になっていないか

これは承認の可否を判断するための定義で、無報酬の手伝いにそのまま適用される基準ではありません。ただし関係の危うさを測るものさしとしては、そのまま使えます。

  • 親族の事業が、自分の職場から補助金・交付金を受けている
  • 自分の職場が、その事業の許認可・検査・監査を行っている
  • 自分の職場が、その事業と工事契約・物品購入契約の関係にある

このいずれかに当たるなら、無報酬でも手を出さないのが安全です。ここは報酬の話ではなく、公務の公正さの話だからです。判断に迷う場合は、手伝う前に人事担当へ相談してください。

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5. 「報酬」に見えるものを、どう扱うか

無報酬でいく、と決めた場合に必ず出てくるのがこの論点です。

5-1. 人事院の定義

義務違反防止ハンドブックの照会例10が、正面から答えています。

Q. 「報酬」には、謝礼や実費弁償として受け取る金品も該当しますか。

A. 第104条の「報酬」は、「労務、仕事の完成、事務処理の対価として支払われる金銭その他の有価物」を指し、労務等の対価の意味合いを持たない謝礼や実費弁償は該当しません。

💡この定義の読み方

ポイントは**「対価として支払われる」**の部分です。

  • 金銭その他の有価物……現金だけではありません。物でも同じです
  • 労務・仕事の完成・事務処理の対価……何かをしたことへの見返りかどうかで決まります
  • 労務等の対価の意味合いを持たない謝礼や実費弁償……これは報酬に当たらない、とされています

逆に言えば、名目を「お礼」に変えただけで、実態が対価であれば対価です。呼び方で決まる話ではありません。

⚠️この定義は国家公務員についての説明です

上の説明は、人事院が国家公務員法104条の「報酬」について書いているものです。**地方公務員の「報酬」をどう解釈するかは、各自治体の運用によります。**本記事では、地方公務員向けの「報酬」の定義を示した一次情報は確認できていません。

5-2. 判断を保留したほうがいい3つの形

次の3つは、本記事では「安全」と書けません。税務の問題が絡むからです。

気をつける理由
後払い(今は無報酬、あとでまとめて)支払時期をずらしただけで、対価であることは変わりません
現物(商品・食事・機材など)人事院の定義は「金銭その他の有価物」です。物であれば対象外、とは書かれていません
親族からの生活費の増額・仕送りの増額労務の対価なのか、家族間の扶養や贈与なのかで、税務上の扱いも変わり得ます
⚠️ここは専門家に聞いてください

3つめは特にそうですが、服務の話と税務の話が同時に絡みます。「兼業に当たるか」は人事担当、「所得や贈与としてどう扱われるか」は税務署または税理士。本記事はどちらについても個別の判断を示せません。

いちばん安全なのは、そもそも何も受け取らないことです。実績を積むのが目的なら、受け取る理由もありません。

ヒロ

「タダで働くなんて」と思う人もいると思います。
でもここでの目的はお金じゃなくて、許可を取ったあとに見せられるものを作ることです。
お金を受け取らないという選択は、我慢ではなくて手続きを1本減らすための設計なんだと考えています。

6. AIで、親族の事業の何を手伝えるか

ここからは制度の話ではなく、実務の話です。生成AIが普及したことで、プログラミングができない人でも作れるものがかなり増えました。

非エンジニアでも形にしやすい5つ
  1. お店や事業のホームページ……構成案・文章・画像の説明文まで生成AIで下書きし、ノーコードのツールや静的サイトで公開する
  2. チラシ・メニュー・POPの文章……同じ内容を「若い人向け」「年配の方向け」と作り分けるのは生成AIが得意な作業です
  3. 業務マニュアル・手順書……口頭で回っている作業を聞き取り、文章に起こす。ここは公務員の得意分野と相性がいい部分です
  4. 問い合わせ返信の下書き……よくある質問と回答の型を作っておく。最終的に送るのは事業主である親族です
  5. 帳簿・書類の整理の補助……表の整形、集計の下ごしらえ、提出物のチェックリスト作り
⚠️AIで手伝うときの、実務上の注意
  • 判断は事業主がする……AIが出した文章をそのまま公開しない。誤りが残ることがあります。最終確認は必ず事業主である親族の役割にします
  • 顧客の個人情報を自分の端末に持ち込まない……名簿・注文履歴・連絡先などを預かる形は避けます。仮に無報酬でも、情報の管理責任という別の問題が生まれます
  • 公務で得た情報は一切混ぜない……地方公務員法34条・国家公務員法100条の秘密保持は、退職後も続きます
  • 勤務時間中はやらない……前章のとおり、条文は「勤務時間及び職務上の注意力のすべて」と書いています
  • 契約・請求・営業をしない……これは「手伝い」ではなく「事業を回す」側の行為です。線2に近づきます
ヒロ

ぼくは公務員になる前に、個人で動画編集の仕事をしていた時期があります。
そのとき痛感したのは、技術より「相手の困りごとを言葉にする力」のほうが先だということでした。
生成AIが出てきて、手を動かす部分のハードルはかなり下がりました。だからこそ、残った差は聞き取りと整理の力だと思っています。

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7. 実績の残し方と、そのあとの道筋

無報酬で手伝っただけでは、外からは何も見えません。見える形にするところまでが設計です。

7-1. 残すのは3点セット

1件ごとに残しておくもの
  1. 成果物そのもの……サイトなら公開URL、資料なら実物(掲載の可否は事業主に確認したうえで)
  2. 何を頼まれて、何をしたか……課題・自分がやった範囲・使ったツールの3行で十分です
  3. 関係と対価の明示……「親族が営む事業を、無報酬で手伝ったもの」と、そのまま書きます
⚠️3つめを省かない

実績を大きく見せたくなる場面ですが、ここで関係と対価をぼかすと、信用失墜行為の禁止の問題に近づきます。地方公務員法33条は「その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為」を禁じています。

そして実務的にも、「親族の事業を無報酬で手伝った」と正直に書いた作例のほうが、あとで説明を求められたときに強いです。隠したものはいつか説明を求められます。

7-2. 有償化するなら、順番は決まっています

手伝いを続けて、いよいよ報酬を受け取る形に切り替えるとき。ここで順番を間違えると、それまでの積み上げが全部無駄になります。

人事院・内閣人事局の兼業Q&A集(令和8年4月)が示す手続の流れは、次のとおりです。

順番やること
1兼業を行う前に、所属する組織の人事担当部局に必要な書類を揃えて申請
2人事担当部局で審査
3所轄庁の長等から職員に承認又は許可を与える
4兼業を開始

同資料には「いずれの申請を行うかも含め、正式な申請をする前に、所属する組織の人事担当者に相談することを推奨します」との注記も付いています。

💡申請の実務は、別の記事にまとめています
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有償で受けるのは、許可が下りてから。場所だけ先に見ておく。

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8. 手伝う前のチェックリスト

1つでも「いいえ」があれば、手伝う前に人事担当へ
  • 親族の事業の役員(取締役・監査役・理事・支配人・発起人・清算人など)に、自分は就いていない
  • 事業主・代表者の名義に、自分の名前は使われていない(登記簿で確認済み)
  • 最終的な意思決定をしているのは、自分ではなく事業主である親族
  • 開業資金・仕入れ・設備の費用を、自分は負担していない
  • 報酬を受け取っていない(後払いの約束も、現物も、生活費の増額もない)
  • 作業は勤務時間外に、私物の端末で行っている
  • 公務で知った情報を持ち込んでいない
  • 親族の事業と自分の職場の間に、補助金・許認可・検査・契約の関係がない
  • 所属の内規を確認した(兼業だけでなく、対外的な発信についての内規も)
  • 実績として書くときに、親族の事業であること・無報酬であることを明示する用意がある
ヒロ

このチェックリスト、手伝い始める前に一度と、半年に一度は見てほしいです。
最初はきれいに線が引けていても、頼られるうちに少しずつ「決めるのが自分」になっていく。
線を越えるときって、たいてい越えた自覚がないんですよね。

9. 本記事で確認できなかったこと(正直に書きます)

推測で埋めるほうが害が大きいので、確認できなかったものは書きませんでした。

⚠️扱っていない論点
  1. 総務省が地方公務員の兼業について出している通知の内容——本記事は地方公務員法38条等の条文原文と、国家公務員についての人事院・内閣人事局の資料にもとづいています。地方公務員向けの通知や運用の考え方は確認できていないため、記載していません
  2. 各自治体の人事委員会規則・内規の中身——地方公務員法38条2項により、許可の基準は自治体側で定められます。全国共通の答えは存在しません
  3. 地方公務員における「報酬」の定義——本記事で引用した定義は、人事院が国家公務員法104条について説明しているものです
  4. 無報酬の手伝いについて届出を求める内規があるかどうか——所属によって異なるため、一般論としては書けません
  5. 親族から金銭・現物を受け取った場合の税務上の扱い——所得税・贈与税の判断は本記事の範囲外です
  6. 懲戒処分の具体的な量定——本記事で引用した事例は人事院の資料に載っている国家公務員の例で、個別のケースの結果を示すものではありません
  7. AIで作成した成果物の著作権・責任の所在——本記事では確認していません

また、本記事は特定のケースがセーフであることを保証するものではありません。判断が分かれ得る場面では、必ず手を出す前に所属の人事担当へご相談ください。

10. まとめ

この記事のまとめ(2026年9月9日時点)
  • 国家公務員法104条と地方公務員法38条が許可の対象にしているのは**「報酬を得て」従事する場合。人事院の資料も「無報酬又は単発で従事する場合は、第104条の許可の対象とはなりません」**としています
  • ただし同じ文が**「第99条(信用失墜行為の禁止)や第101条(職務に専念する義務)に抵触するものには、当然、従事できません」**と続きます
  • 線1:役員の欄に名前を載せない。役員兼業は**「名義のみであったとしても該当し、報酬の有無も問いません」刑事罰もあり得ます。役員には支配人・発起人・清算人**も含まれます
  • 線2:「決めているのは自分」にならない。**「名義が他人であつても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合」は自営に当たるとされ、承認申請でも続柄と「関与の度合」**が問われます
  • 線3:所属のルールを飛ばさない内規で手続を設けている場合があると国の資料自体が注意を促しており、地方公務員は人事委員会規則で許可基準を定められる構造です
  • 無報酬でも残る義務は、職務専念(勤務時間及び職務上の注意力)・秘密保持(退職後も)・信用失墜行為の禁止・利害関係
  • 「報酬」の定義は「労務、仕事の完成、事務処理の対価として支払われる金銭その他の有価物」。謝礼や実費弁償は該当しないとされますが、名目を変えただけの対価は対価です
  • 後払い・現物・生活費の増額は税務も絡むため、本記事では安全と書いていません。そもそも受け取らないのがいちばん簡単です
  • 実績は3点セット(成果物・やった範囲・関係と対価の明示)で残す。親族の事業を無報酬で、と正直に書く
  • 有償化するなら順番は「申請 → 審査 → 承認・許可 → 開始」。逆にした時点で無許可の兼業になります

「公務員だから何もできない」と「報酬をもらわなければ何でもできる」は、どちらも事実と少しずれています。

条文が引いている線は、役員・実質の経営・報酬・所属の内規という、けっこう具体的なものです。線が具体的だということは、その手前に確実に空いている場所があるということでもあります。

ヒロ

ぼくは2026年6月に副業許可を取りましたが、そこに至るまでに一番効いたのは「制度を知っていたこと」でした。
知らないまま何かを始めるのがいちばん危なくて、知らないまま何もしないのがいちばんもったいない。
まずは自分の職場の内規を1回確認するところからで十分だと思います。次の記事では、その手前で身につけておけるスキルの話を書きました。

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⚠️本記事のご利用にあたって(YMYL免責)

本記事は2026年9月9日時点で公表されている法令および資料をもとに、30代地方公務員の個人視点で整理した情報提供であり、特定の行為が服務規律に違反しないことを保証するものではなく、また特定の商品・サービスの購入や申込を勧誘するものでもありません。国家公務員法103条・104条・101条、地方公務員法38条・35条・34条・33条の条文は、いずれもe-Gov法令検索に掲載されている原文にもとづいて引用しています。役員兼業が名義のみでも該当し報酬の有無を問わないこと、第104条の兼業に該当する基準(報酬を得ること・定期的又は継続的に従事すること)、無報酬又は単発の従事が第104条の許可の対象とならない一方で第99条・第101条に抵触するものには従事できないこと、「報酬」の定義および謝礼・実費弁償の扱い、懲戒処分の事例に関する記述は、人事院「義務違反防止ハンドブック」の兼業に関する記載にもとづいています。「役員」の範囲、「自ら営利企業を営むこと」の判断、承認基準、承認申請の添付資料、「特別な利害関係」の定義に関する記述は、人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について(昭和31年8月23日職職―599、最終改正 令和7年12月19日職審―451、令和8年4月1日から施行)にもとづいています。手続の流れおよび内規に関する注意は、内閣人事局・人事院「一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)」(令和8年4月)にもとづいています。これらはいずれも国家公務員に関する資料であり、地方公務員にそのまま適用されるものではありません。地方公務員の許可の基準は地方公務員法38条2項により人事委員会規則等で定められ、自治体ごとに異なります。総務省が地方公務員の兼業について発出している通知の内容、各自治体の内規、地方公務員における「報酬」の定義、無報酬の従事についての届出の要否、親族から金銭・現物・生活費の増額等を受け取った場合の税務上の取扱い、AIで作成した成果物の著作権および責任の所在については、いずれも本記事では一次情報で確認できていないため記載していません。本記事の内容にかかわらず、実際に親族の事業を手伝うかどうか、どこまで関与してよいか、届出や申請が必要かどうかの最終的な判断は、必ず所属の人事担当(任命権者)にご確認ください。税務上の取扱いについては税務署または税理士等の専門家に、契約や権利関係については弁護士等の専門家に、それぞれご相談ください。

参考(2026年9月9日時点)

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この記事を書いた人
公務員ヒロ

公務員ヒロ

30代地方公務員 / 資産1,000万円超達成公務員8年目

給料だけで資産1,000万円を超えるまでにやったことを、再現性重視で発信中。難しい知識は不要。

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