個人向け国債、固定5年2.24%と変動10年1.95%はどっち?|9月30日締切の10月発行分を公務員目線で比較

個人向け国債の10月発行分は、固定5年が年2.24%、変動10年が年1.95%、固定3年が年1.96%です(財務省の募集条件・令和8年9月9日現在)。募集は9月30日まで、発行日は10月15日。今回は「固定5年が変動10年を上回る」形になっています。31歳・地方公務員のヒロが、この形が何を意味するのか、100万円を入れた場合の税引後の利子、中途換金で差し引かれる額、共済貯金・財形・定期預金とどう比べるか、向く人・向かない人を財務省の資料をもとに整理しました。特定の商品をすすめる記事ではありません(2026年9月25日時点)。
📋目次(タップで折りたたみ)全 10 項目
- 固定5年:年2.24%(税引き後 年1.7849440%)
- 変動10年:年1.95%(税引き後 年1.5538575%)※半年ごとに利率が変わります
- 固定3年:年1.96%(税引き後 年1.5618260%)
- 募集期間:令和8年9月3日〜9月30日/発行日:令和8年10月15日
- 今回は固定5年が変動10年を上回る形。ただし「どちらが得か」は、この先の金利次第で事前には決まりません
- 発行後1年間は原則として換金できません。1年以内に使うかもしれないお金は向きません
9月24日から政策金利が1.25%程度になり、「金利が上がった」というニュースが続いています。その流れで、個人向け国債の利率を見て驚いた人も多いと思います。
今回の10月発行分は、固定5年が年2.24%、変動10年が年1.95%。いつもは「迷ったら変動10年」と言われがちな商品ですが、今回は固定のほうが数字が高いという、少し珍しい形になっています。

31歳・地方公務員のヒロです。
この記事では、「固定5年と変動10年、どっちを選ぶか」を決めるための材料を、財務省の資料だけで並べます。
結論を押し付けるつもりはありません。自分のお金の「使う時期」と照らし合わせるための記事です。
- 10月発行分の3タイプの利率・募集期間・発行日(財務省の資料で確認)
- 「固定が変動を上回る」形が何を意味するのか
- 100万円を入れた場合の税引後の利子(固定5年と変動10年)
- 中途換金で差し引かれる額と、1年間は換金できないルール
- 共済貯金・財形・定期預金と比べるときの観点
- 公務員にとって向く人・向かない人
1. 10月発行分の条件を、財務省の資料で確認する
まずは数字の確認です。財務省が公表している「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」(令和8年9月9日現在)から、個人向け国債の3タイプを抜き出しました。
| 項目 | 変動10年(第198回債) | 固定5年(第186回債) | 固定3年(第196回債) |
|---|---|---|---|
| 利率(年) | 1.95% | 2.24% | 1.96% |
| 税引き後(年) | 1.5538575% | 1.7849440% | 1.5618260% |
| 金利タイプ | 変動(半年ごとに利率が変わる) | 固定 | 固定 |
| 募集期間 | 令和8年9月3日〜30日 | 令和8年9月3日〜30日 | 令和8年9月3日〜30日 |
| 発行日 | 令和8年10月15日 | 令和8年10月15日 | 令和8年10月15日 |
| 利払日 | 毎年4月15日・10月15日 | 毎年4月15日・10月15日 | 毎年4月15日・10月15日 |
| 償還期限 | 令和18年10月15日 | 令和13年10月15日 | 令和11年10月15日 |
- 募集価格・償還金額は額面100円につき100円(中途換金時も同じ)と記載されています
- 利子は年2回(4月15日・10月15日)。10月15日発行なので、最初の利子は2027年4月15日です
- 次回の募集予定は令和8年10月8日〜30日。次回の利率は、本記事の時点ではまだ公表されていません
締切は9月30日です。申込は証券会社や銀行など取扱金融機関で行います(財務省の資料では取扱金融機関は873機関)。最終日の受付時間は金融機関ごとに異なる場合があるので、申し込むなら早めに自分の口座の案内を確認しておくと安心です。
2. ★本題:「固定が変動を上回る」は何を意味するのか
ここがこの記事の中心です。
2-1. 金利の決まり方が、そもそも違う
財務省の個人向け国債のページでは、3タイプの金利の決まり方が次のように示されています。
| タイプ | 金利の決まり方 | 最低金利 |
|---|---|---|
| 変動10年 | 基準金利 × 0.66 | 年0.05% |
| 固定5年 | 基準金利 - 0.05% | 年0.05% |
| 固定3年 | 基準金利 - 0.03% | 年0.05% |
ポイントは、**変動10年は「0.66をかける」、固定は「少し引く」**という違いです。
基準金利が低い時代は、0.66をかけても引かれる幅は小さく、差はあまり目立ちませんでした。ところが金利の水準が高くなるほど、「×0.66」で削られる幅は大きくなります。一方の固定は、引かれる幅が0.05%や0.03%のまま変わりません。
その結果、今回のように固定5年(2.24%)が変動10年(1.95%)を上回る形になりやすくなります。

ここ、誤解しやすいところだと思っています。
「固定のほうが高い=固定のほうが得」ではありません。
今の数字は「スタート地点」の比較で、変動10年はここから半年ごとに動きます。
2-2. 変動10年は「初回だけ」が確定している
財務省の資料には、変動10年について「半年毎に適用する利率が変わります」と注記があります。
つまり、年1.95%が確定しているのは最初の利子(2027年4月15日分)の計算だけです。2回目以降は、見直された利率で計算されます。
固定5年
- 5年間(10回分の利子)、年2.24%で確定
- この先金利が上がっても、下がっても変わらない
変動10年
- 初回の利子は年1.95%で確定
- 2回目以降は半年ごとに見直し。金利が上がれば増え、下がれば減る
- どれだけ下がっても最低金利は年0.05%
変動10年が固定5年を5年間の合計で上回るには、見直し後の利率が2.24%を超える期間が、ある程度続く必要があります。そうなるかどうかは、この先の金利次第です。本記事では金利の予想はしません。
9月の日銀の公表文には、今後も経済・物価・金融情勢に応じて政策金利を引き上げていく考えが示されています(詳しくは『変動金利の返済額はいつ変わる?』)。
ただし、個人向け国債の変動10年の利率は、政策金利ではなく「10年の国債の金利をもとにした基準金利」に連動します。政策金利が上がれば必ず同じだけ上がる、というものではありません。
3. 100万円を入れたら、税引後でいくら受け取れるか
数字で比べてみます。以下は利率をそのまま当てはめた概算です。利子には毎回20.315%の税金がかかります(財務省のよくある質問より)。
- 購入額:100万円(額面)
- 固定5年:年2.24%(5年間変わらない)
- 変動10年:初回は年1.95%。2回目以降は分からないため、「仮に1.95%のまま」の場合を参考として示します
- 税金:20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)
- 税金の端数処理で、実際の金額は数円ずれることがあります
| 固定5年(年2.24%) | 変動10年(初回 年1.95%) | |
|---|---|---|
| 半年ごとの利子(税引前) | 11,200円 | 9,750円 |
| 税金(20.315%) | 約2,275円 | 約1,981円 |
| 半年ごとの利子(税引後) | 約8,925円 | 約7,770円 |
| 1年分(税引後) | 約1万7,850円 | 約1万5,540円(1.95%のままの場合) |
| 5年間の合計(税引後) | 約17万8,500円(確定) | 見直し後の利率次第 |
- 最初の半年で比べると、税引後の差は約1,155円(100万円あたり)
- 1年で見ると約2,300円の差。ただしこれは、変動10年が1.95%のまま動かなかった場合の話です
- 固定5年は5年間の合計が約17万8,500円で確定。変動10年はその後の見直しで上にも下にも動きます

100万円で年に約2,300円の差、というのが今の「スタート地点」の差です。
これを大きいと見るか小さいと見るかは人それぞれ。
ぼくは、**金額の差より「確定させたいか、動いてほしいか」**のほうが、選ぶときの決め手になると思っています。
国債・共済貯金・預金を、ひとつの画面で並べて見る
マネーフォワード MEは、銀行や証券会社の口座を連携しておくと、預け先ごとの残高を一覧で確認できます。国債を買う前に「すぐ使うお金」「1年以上動かさないお金」がそれぞれいくらあるかを並べておくと、いくら国債に回せるかの見当がつけやすくなります。無料から使えます。対応している金融機関は公式サイトでご確認ください。
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4. 中途換金のルール:1年は換金できない、差し引かれる額もある
個人向け国債を選ぶ前に、必ず確認しておきたいのが中途換金です。財務省の募集条件には、こう書かれています。
発行後1年経過すればいつでも国の買取による中途換金が可能です(元本割れのリスクなし)。 ※ 中途換金時に、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。 ※ 発行後1年間は、原則として中途換金ができません。
- 発行後1年間は原則として換金できない。10月発行分なら、発行日(令和8年10月15日)から1年が経つまでは原則として動かせません
- 1年経過後はいつでも国が買い取る。額面(元本)は戻ります
- ただし直前2回分の利子(税引前)× 0.79685が差し引かれます
100万円の固定5年で計算すると、差し引かれる額は次のとおりです。
(11,200円 + 11,200円)× 0.79685 = 約1万7,849円
これは、税引後の利子のおよそ1年分にあたります。「元本は減らないが、受け取った利子の一部は戻す」というイメージです。変動10年の場合は、換金する直前2回分の利率で計算されるため、金額はそのときの利率によって変わります。
発行後1年間は原則として換金できないため、1年以内に使うかもしれないお金(車検、引っ越し、家電の買い替え、生活防衛資金など)を入れるのは向きません。
例外的な取り扱いの条件は、財務省や取扱金融機関の案内でご確認ください。本記事では、**「原則として1年間は換金できない」**を前提に考えています。
5. 共済貯金・財形・定期預金と比べるときの観点
公務員には、国債以外にも「安全寄りにお金を置く」選択肢がいくつかあります。ここではどれが上かではなく、比べるときに見る観点を並べます。
| 観点 | 個人向け国債 | 共済貯金 | 財形貯蓄 | 定期預金 |
|---|---|---|---|---|
| 利率の決まり方 | 財務省が募集回ごとに決定 | 所属の共済組合が決定 | 取扱機関・商品ごと | 金融機関ごと |
| 税金 | 利子に毎回20.315% | 所属組合の案内で確認 | 住宅・年金財形は一定額まで非課税の枠あり | 利子に課税 |
| 引き出しやすさ | 発行後1年間は原則換金不可 | 組合の規程による | 目的外の払い出しに条件あり | 中途解約の扱いは商品ごと |
| 手続き | 自分で申し込む | 給与天引き | 給与天引き | 自分で申し込む |
| 利用できる人 | 個人なら誰でも | 組合員(公務員) | 勤務先で制度がある人 | 誰でも |
- 利率は税引後でそろえる。国債は税引き後の利率が財務省の資料に書かれています(固定5年なら年1.7849440%)。財形の非課税枠を使っている場合は、税金がかからない分を考慮します
- 「引き出せるまでの期間」で並べる。国債は1年、共済貯金や財形は規程・条件次第。いつ使うお金かで置き場所を決めます
- 手間も比べる。給与天引きの共済貯金・財形は「何もしなくても貯まる」強みがあります。国債は募集のたびに自分で申し込む必要があります
共済貯金の利率は、所属する共済組合によって違います。国債と比べる前に、まず自分の組合の今の利率を確認するのが先です。共済貯金と新NISAの考え方は『共済貯金 vs 新NISA【2026年版】』、財形の非課税枠は『公務員の財形貯蓄の特徴』で整理しています。

公務員の強みは、共済貯金や財形という「天引きの置き場所」がすでにあること。
国債は「それに加えて、もう一つの置き場所を持つかどうか」の話だと思っています。
いきなり全部を移すのではなく、並べて比べてから決めるのが崩れにくいです。
6. 公務員に向く人・向かない人
最後に、ここまでの材料をまとめて「向く・向かない」を整理します。あくまで考え方の目安です。
- 5年間は使わないと決めたお金がある
- この先の金利がどうなっても、今の水準(年2.24%)で確定させたい
- 5年後に使い道が見えている(住宅の頭金、子どもの進学費用など)
- 10年を目安に置いておけるお金がある
- 利子がこの先の金利に合わせて動いてほしい(上がれば増え、下がれば減ることを受け入れられる)
- 初回の利率が固定5年より低いことを理解したうえで選べる
- 生活防衛資金がまだ十分でない(1年は原則換金できないため)
- 1年以内に使う予定があるお金しかない
- 所属の共済貯金の利率が税引後で見て国債と同じくらいか高いのに、共済貯金の枠がまだ空いている(まずそちらと比べる価値があります)
- 住宅財形・年金財形の非課税枠がまだ空いていて、目的にも合っている

結局いちばん大事なのは、**「そのお金をいつ使うか」**です。
1年以内なら国債ではない。5年なら固定5年を検討。10年置けるなら変動10年も選択肢。
使う時期が先に決まれば、選ぶ商品は自然に絞られます。
個人向け国債とNISAの役割分担については、『個人向け国債1.7%台、夏ボーナスは『NISA』と『国債』でどう分ける?』で配分の考え方を書いています(6月時点の記事のため、利率は当時のものです)。
個人向け国債の取扱いと申込の締切時間を、証券会社の案内で確認する
SBI証券は個人向け国債(変動10年・固定5年・固定3年)を取り扱っています。申込の受付時間や手続きの流れは、証券会社ごとに異なる場合があります。9月30日締切の10月発行分を検討している人は、利用する口座の最新の案内で必ず確認してください。口座開設は無料です。
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7. まとめ
- 10月発行分は固定5年 年2.24%・変動10年 年1.95%・固定3年 年1.96%(財務省・令和8年9月9日現在)
- 募集は9月30日まで、発行日は10月15日、最初の利子は2027年4月15日
- 変動10年は「基準金利×0.66」、固定5年は「基準金利-0.05%」。金利の水準が高いほど、固定が変動を上回りやすい
- 変動10年で確定しているのは初回の利子だけ。どちらが得かは、この先の金利次第で事前には決まらない
- 100万円なら、固定5年は税引後で年約1万7,850円・5年で約17万8,500円(確定)。変動10年の初回は税引後約7,770円
- 発行後1年間は原則換金できない。換金時は直前2回分の利子(税引前)×0.79685が差し引かれる(固定5年・100万円なら約1万7,849円)
- 共済貯金・財形とは、税引後の利率・引き出しやすさ・手間の3点で比べる
- 決め手は**「そのお金をいつ使うか」**

金利が上がると、預け先の選択肢が一気に増えて迷いやすくなります。
でも、使う時期 → 置ける期間 → 商品の順に考えれば、迷う範囲はかなり狭くなる。
締切の9月30日まで、まずは自分のお金を「使う時期」で分けてみるところから始めてみてください。
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本記事は2026年9月25日時点で公表されている財務省の資料をもとに、30代地方公務員の個人視点で整理した情報提供であり、個人向け国債その他特定の金融商品・サービスの購入や申込を勧誘するものではありません。10月発行分の利率・税引き後の利率・募集期間・発行日・利払日・償還期限・中途換金の条件・次回の募集予定は、財務省「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」(令和8年9月9日現在)の記載にもとづいています。金利の決まり方(基準金利×0.66、基準金利-0.05%、基準金利-0.03%)と最低金利(年0.05%)、利子にかかる税率(20.315%)は財務省の個人向け国債のページの記載にもとづいています。変動10年の利率は半年ごとに見直されるため、2回目以降の利子は本記事の数字と異なります。本記事の試算は、額面100万円・記載の利率をそのまま当てはめた概算であり、税金の端数処理や中途換金の時期によって実際の金額は異なります。中途換金の例外的な取り扱い、申込の受付時間・手続きは財務省および取扱金融機関の案内でご確認ください。共済貯金の利率・規程は所属の共済組合ごとに、財形貯蓄の条件は勤務先・取扱機関ごとに異なります。個人向け国債は発行後1年間は原則として中途換金ができない点にご注意ください。最新の募集条件は財務省の公式情報で、最終判断はご自身の家計状況を踏まえて行ってください。
参考(2026年9月25日時点)
- 財務省「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」(令和8年9月9日現在):https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/recruitment/pdf/recruitment.pdf
- 財務省「個人向け国債 募集中の条件」:https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/recruitment/
- 財務省「個人向け国債」:https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/
- 財務省「個人向け国債 よくある質問」:https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/qa/

公務員ヒロ
30代地方公務員 / 資産1,000万円超達成(民間→地方公務員)
「給料だけで資産1,000万円を超えるまでにやったことを、再現性重視で発信中。難しい知識は不要。」

