利上げがあっても、変動金利の返済額はすぐには増えません|基準金利・5年ルール・125%ルールで「いつ・いくら」変わるかを確認する

日銀が利上げをしても、変動金利の住宅ローンの返済額が翌月から増えるわけではありません。政策金利が動き、短期プライムレートが動き、各行の基準金利が見直され、そこからさらに数か月遅れて返済に反映される——この順番と時差を知らないと、ニュースのたびに不安になります。実際、2026年6月16日の日銀の決定を受けて短期プライムレートが動いたのは8月3日、ある銀行の年2回型の基準金利見直しは10月1日、その新しい利率が返済に反映されるのは2027年1月の約定返済分からです。31歳・地方公務員のヒロが、政策金利→短プラ→基準金利→返済額という4段階の流れ、5年ルールと125%ルール、未払利息、そして「自分の契約はどうなっているか」の確認手順を、日銀と銀行の一次情報だけで整理しました。借入残高3,000万円・残り30年・金利0.25%上昇の試算つき。2026年9月18日、日銀は政策金利を1.25%程度へ引き上げました(9月24日から適用)。これを受けて三菱UFJ銀行は短期プライムレートを2.375%から2.625%へ(11月2日から)、auじぶん銀行は住宅ローンの基準金利を年3.141%から年3.741%へ(10月1日から)引き上げると発表していますが、返済への反映はさらに先です(2026年9月25日時点)。
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2026年9月18日、日本銀行は金融政策決定会合で、政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げました(賛成7・反対2)。新しい方針の適用は翌営業日の9月24日からです(日銀の公表文より)。
ただし、これで返済額がすぐに増えるわけではありません。 政策金利 → 短期プライムレート → 各行の基準金利 → 自分の返済、という4段の時差は今回も同じです。たとえば三菱UFJ銀行の同日付のお知らせでは、年2回型の変動金利は次の基準日が2027年4月1日、返済への反映は2027年7月の約定返済分からと案内されています(詳しくは第2章)。
この記事が扱うのは、「利上げがあったときに、いつ・どの順番で・どれくらい返済に効いてくるのか」という仕組みです。ニュースを見て慌てる前に、まずこの順番を確認してください。
日銀の決定を受けて、銀行側の動きが公式に発表されています。どちらも2026年9月18日付の各行の発表で確認しました。
- 三菱UFJ銀行の短期プライムレート:2.375% → 2.625%(+0.25%)。改定日は2026年11月2日(月)
- auじぶん銀行の住宅ローン基準金利(全期間引下げプラン変動金利・新規お借り入れ/お借り換え):年3.141% → 年3.741%(+0.600%)。改定日は2026年10月1日(木)
ここでも4段の時差ははっきり出ています。三菱UFJ銀行の短プラは、日銀の決定から約1か月半後の11月2日から。auじぶん銀行でも、すでに変動金利で借りている人に新しい金利が適用されるのは2026年12月の約定返済日の翌日からで、元利均等返済なら今回の改定で毎回の返済額は変わりません(詳しくは第2章)。
もうひとつ見ておきたいのが上げ幅です。政策金利の上げ幅は0.25%でしたが、auじぶん銀行の基準金利は**0.600%**の引き上げです。銀行の金利は、政策金利と同じ幅で動くとは限りません。 自分の借入先の発表を確認してください。
- 動くのはまず政策金利。次に各行の短期プライムレート、次に住宅ローンの基準金利、最後に自分の返済額
- この4段のあいだにそれぞれ時差があります。「利上げ=来月から返済額アップ」ではありません
- 実例:2026年6月16日の日銀の決定 → 短期プライムレート(主要行の最頻値)の改定は8月3日 → ある銀行の年2回型の基準金利見直しは10月1日 → その利率が返済に反映されるのは2027年1月の約定返済分から
- さらに元利均等返済なら、多くの契約で5年ルール(返済額は5年据え置き)と125%ルール(増えても1.25倍まで)が効きます
- ただし5年ルール・125%ルールが無い契約もあります(元金均等返済など)。自分の契約書で確認するしかありません
- 返済額が変わらないことは、負担が消えることではありません。利息の割合が増え、元金の減りが遅くなります
「日銀が利上げ」というニュースが流れるたびに、変動金利で住宅ローンを借りている人の胃がきゅっとなる。ここ数年、そういう場面が何度もありました。
でも、実際に返済額が変わるのはずっと先です。しかも、変わり方にもルールがあります。

31歳・地方公務員のヒロです。
この記事では、**ニュースの見出しと自分の口座のあいだにある「4段の階段」**を整理します。
9月18日に利上げが決まりましたが、この階段の形は変わりません。だから、ニュースより先に自分の段を確認しておく価値があります。
- いまの政策金利がどこにあるか(日銀の公表文で確認)
- 政策金利 → 短プラ → 基準金利 → 返済額の4段と、それぞれの時差
- 5年ルール・125%ルールが何を守り、何を守らないか
- 未払利息という、返済額据え置きの裏側にあるもの
- 自分の契約書・銀行アプリで確認する項目のチェックリスト
- 残高3,000万円・残り30年・金利0.25%上昇なら、いくら変わるのかの試算
1. いまの政策金利はどこにあるか(2026年9月18日時点)
まず出発点を、日銀の公表文そのもので確認します。
2026年9月18日「金融市場調節方針の変更について」
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.25%程度で推移するよう促す
- 賛成7・反対2で決定。新たな金融市場調節方針は翌営業日(9月24日)から適用
- あわせて、補完当座預金制度の適用利率を1.25%、基準貸付利率を**1.5%**とすることを決定(いずれも9月24日から適用)
2026年6月16日「金融市場調節方針の変更について」
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.0%程度で推移するよう促す
- 賛成7・反対1で決定。新たな金融市場調節方針は翌営業日(6月17日)から適用
- あわせて、補完当座預金制度の適用利率を1.0%、基準貸付利率を**1.25%**とすることを決定
2026年7月31日「当面の金融政策運営について」
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、1.0%程度で推移するよう促す
- 賛成8・反対1。反対した委員は1.25%程度とする議案を提出し、反対多数で否決
つまり、政策金利は6月16日に「1.0%程度」へ上がり、7月末の会合では据え置かれ、9月18日に「1.25%程度」へ引き上げられたという流れです。新しい水準が適用されるのは9月24日からです。
9月の公表文にも、今後の運営方針としてこう書かれています(6月の公表文と同じ文言です)。
今後の金融政策運営については、基調的な物価上昇率が2%に近づいているなか、現在の金融環境が緩和的であることを踏まえると、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。
9月18日の決定は賛成7・反対2で、反対した2人の委員は、据え置きが望ましい、またはこのタイミングでの利上げは適切ではない、という理由を公表文の注記に示しています。決まったのは政策金利の水準と適用日(9月24日)までで、住宅ローンの基準金利をどうするかは各銀行が決めます。

ここ、けっこう大事だと思っています。
「日銀が利上げした」と「自分の返済額が増えた」は別物。
家計の側でやることは変わらなくて、自分の契約の条件を知っておく、それだけです。
2. ★本題:政策金利から返済額まで、4段の階段がある
ここがこの記事の中心です。政策金利が動いてから自分の返済額が動くまでに、4つの段があります。
| 段 | 何が動くか | 決める人 | 動く時期の例(2026年の実例) |
|---|---|---|---|
| ① 政策金利 | 無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導水準 | 日本銀行 | 2026年9月18日に1.25%程度へ変更(適用は9月24日から)。前回は6月16日に1.0%程度へ |
| ② 短期プライムレート | 銀行が優良企業に1年以内で貸すときの最優遇金利 | 各銀行が自主的に決定 | 主要行の最頻値は2026年8月3日から2.375%。三菱UFJ銀行は2026年11月2日から2.625%へ(9月18日発表) |
| ③ 基準金利(店頭金利) | 住宅ローンの変動金利の土台 | 各銀行 | ある銀行の年2回型は2026年10月1日が見直し日 |
| ④ 自分の返済 | 適用利率と、返済額に占める利息の割合 | 契約内容による | 上記の場合、2027年1月の約定返済分から反映 |
順番に見ていきます。
2-1. ①→② 政策金利が動いても、短プラはすぐには動かない
短期プライムレートは、日銀が決める金利ではありません。日銀の統計ページには、短期プライムレートについて「都市銀行が自主的に決定した金利のうち、最も多くの数の銀行が採用した金利」を最頻値として掲載していると書かれています。
その推移を見ると、時差がはっきり分かります。
| 適用開始 | 短期プライムレート(主要行の最頻値) |
|---|---|
| 2026年2月10日〜 | 2.125% |
| 2026年6月10日〜 | 2.125% |
| 2026年8月3日〜 | 2.375% |
日銀の決定は6月16日。短プラの最頻値が2.375%に変わったのは8月3日。 ここで1か月半以上の時差があります。
今回も同じ形です。9月18日の日銀の決定に対して、三菱UFJ銀行が発表した短プラの改定(2.375%→2.625%)は11月2日から。発表は決定と同じ日でも、適用までは約1か月半あります。
「日銀が利上げ → 明日から自分のローン金利が上がる」ではありません。
短期プライムレートは各銀行が自主的に決めるもので、日銀の決定と自動的に連動しているわけではありません。実際、2026年の例では1か月半以上の間隔がありました。
2-2. ②→③ 短プラが動いても、基準金利の見直しは決められた日にしか行われない
住宅ローンの変動金利は、多くの場合「短期プライムレートに連動する基準金利」をもとに決まります。三菱UFJ銀行の住宅ローン商品説明書(2026年6月17日現在)には、変動金利についてこう書かれています。
当行の「短期プライムレート連動長期貸出金利」を基準に毎月見直しします。
ただし、この「毎月見直し」は同行の現在の商品の話です。過去に借りた契約には「年2回型」があり、こちらは年2回しか見直されません。同行のお知らせでは、この2つが並べて案内されています。
| タイプ | 基準金利の見直し日 | 新しい利率が適用される日 | 返済への反映 |
|---|---|---|---|
| 変動金利(毎月型) | 2026年9月1日 | 2026年10月の返済日の翌日 | 2026年11月の約定返済分から |
| 変動金利(年2回型) | 2026年10月1日 | 2026年12月の返済日の翌日 | 2027年1月の約定返済分から |
同じ銀行の過去のお知らせを並べると、年2回型の基準日がはっきりします。
- 2025年1月24日のお知らせ:基準金利見直し日 2025年4月1日 → 年2回型は2025年6月の返済日の翌日(2025年7月の約定返済分より反映)
- 2025年12月19日のお知らせ:年2回型の基準金利見直し日 2026年4月1日 → 2026年6月の返済日の翌日(2026年7月の約定返済分より反映)
- 2026年6月17日現在のお知らせ:年2回型の基準金利見直し日 2026年10月1日 → 2026年12月の返済日の翌日(2027年1月の約定返済分より反映)
つまり年2回型は、4月1日と10月1日が基準日で、反映されるのは7月と1月の返済分からという2か月ずれの構造になっています。
三菱UFJ銀行は、9月18日現在のお知らせで「2026年9月18日発表の『短期プライムレートの引き上げ』に伴い、2026年12月1日より住宅ローンの変動金利の基準金利を見直し」すると案内しています。同じお知らせによると、既に借りている人の新しい利率の反映は次のとおりです。
- 毎月型:基準日2026年12月1日 → 2027年1月の返済日の翌日から適用(2027年2月の約定返済分より反映)
- 年2回型:次の基準日2027年4月1日 → 2027年6月の返済日の翌日から適用(2027年7月の約定返済分より反映)
つまり年2回型なら、9月18日の決定が返済額の計算に効いてくるのは約10か月後です。なお、同行の短期プライムレートは、同日の発表で**2026年11月2日から2.375%→2.625%**に引き上げられることが決まっています。
auじぶん銀行は2026年9月18日付の発表で、住宅ローン(全期間引下げプラン変動金利・新規お借り入れ/お借り換え)の基準金利を**2026年10月1日から年3.141%→年3.741%(+0.600%)**に改定すると公表しました。すでに変動金利で借りている人への影響は、同行の案内によると次のとおりです。
- 借入金利の見直しは年2回(4月1日・10月1日)の基準日。10月1日基準日で決まる新しい借入金利は、同年12月の約定返済日の翌日から適用
- 元利均等返済:今回の基準金利改定による約定返済額の変更はありません(5年ルール)。ただし元金と利息の内訳は変わります
- 元金均等返済:2027年1月の約定返済から、新しい借入金利で計算した返済額になります
- 2027年1月以降の返済予定明細は、2026年10月2日にメールで案内される予定
- 保証付金利プランを変動金利で契約中の人の基準金利は「決定次第公表」とされています
- 借入中の人の優遇幅(引下幅)は、借入時期などによって異なります
三菱UFJ銀行の年2回型と同じく、**「10月1日に決まり、12月の返済日の翌日から適用され、1月の返済分に反映される」**という形です。銀行が違っても、年2回型の時差の構造はよく似ています。
全国銀行協会も、変動金利型について「経済情勢などに応じて通常半年ごとに金利が見直されます」と説明しています。半年ごとが一般的、というのが業界団体の説明です。

6月の日銀の決定が、自分の返済に効いてくるのが翌年1月。
半年以上あるんですよね。
この時間は、慌てるための時間ではなく、準備するための時間だと思っています。
2-3. ③→④ 利率が変わっても、返済額はまだ変わらないことがある
ここで登場するのが5年ルールです。次の章で詳しく見ます。
「いつ・いくら変わったか」を、記憶ではなく記録で追えるようにしておく
マネーフォワード MEは、住宅ローンの返済口座を連携しておくと、毎月の引き落とし額の推移が自動でグラフになります。金利の反映は数か月遅れてやってくるので、「先月と比べてどう変わったか」を後から確認できる形にしておくと、明細を探し回らずに済みます。無料から使えます。
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3. 5年ルール——返済額は据え置き、でも中身は変わる
元利均等返済(毎月同じ金額を返す方式)の変動金利には、多くの契約で「5年ルール」があります。
三菱UFJ銀行の商品説明書(2026年6月17日現在)の記載は、こうです。
返済額は5年ごとに見直し、次の5年間の返済額を定めます(利率に変動があった場合も、見直しするまでは返済額は変更しません)。ただし、利率が上昇し返済額が増額となった場合でも、それまでの返済額の125%を超えることはありません。
同行のお知らせにも、変動金利かつ元利均等返済で借入中の場合について「10月1日を基準とした5年間は返済額に変更はありません(返済額の元金分と利息分の割合は変わります)」と書かれています。
守るもの
- 毎月の返済額(=口座から引き落とされる金額)
守らないもの
- 適用される利率そのもの(見直し日に新しい利率へ変わります)
- 利息の金額(新しい利率で計算されます)
- 元金の減るスピード(利息が増えたぶん、元金に回る額が減ります)
- 総返済額(最終的に払う利息の合計は増えます)

ここが一番の誤解ポイントだと思っています。
「返済額が変わらない=影響がない」ではありません。
引き落とし額は同じでも、そのお金の行き先(利息か元金か)が変わっている。見えないところで効いてきます。
4. 125%ルール——上限はあるが、消えるわけではない
5年後の見直しで返済額が増える場合にも、上限があります。
全国銀行協会の説明では、5年ごとの返済額見直し時には一般に「125%ルール」といわれる返済額の増加に上限を設ける制度があり、返済額の増加はそれまでの返済額の25%アップが上限となる、とされています。同協会は例として、毎月8万円の返済額の人なら6年目以降の返済額は毎月10万円が上限になる、と示しています。
125%を超える分の利息が免除されるわけではありません。
三菱UFJ銀行の商品説明書には、変動金利・元利均等返済についてこう書かれています。
金利情勢により、当初の借入期間が満了しても未返済残高が生じる場合があります。この場合、原則として期日に一括返済していただきますが、一括返済が困難な場合には期日までにお申し出ください。
払いきれなかった分は、最後に残る。 これが125%ルールの裏側です。
5. 未払利息——返済額据え置きの、いちばん厳しいケース
急激に金利が上がった場合に出てくるのが「未払利息」です。
全国銀行協会の説明を引きます。
急激な金利上昇が起きた時に、毎月支払うべき利息の金額が返済額よりも多くなってしまうと未払利息が発生します。
さらに同協会は、125%ルールの制限によりローン残高の利息が上限額を超えると、未払利息の発生が止まらなくなり、未払利息が貯まり続けることになるとも説明しています。
未払利息は「利息 > 返済額」になったときに発生します。逆に言えば、
- 返済額に対して利息の割合がまだ小さいうちは、すぐには起きません
- 残高が大きく、返済が始まって間もないほど、利息の割合が大きいので近づきやすい
- 金利の上がり幅が小さく、間隔があくほど、遠ざかります
現実に近づいているかどうかは、返済予定表で「毎月の返済額のうち利息がいくらか」を見れば分かります。ここが返済額の半分以下なら、当面の距離はかなりあります。
6. これらのルールが「無い」契約もあります
ここが記事の中で、いちばん正直に書いておきたいところです。
三菱UFJ銀行のお知らせには、元金均等返済の場合は5年ルール・125%ルールはない旨が明記されています。同行の商品説明書でも、元金均等返済方式について「元金の減少や借入利率の変動に伴い返済額は毎月変わります」と記載されています。
つまり同じ銀行の中でも、返済方式が違えば取り扱いが違うということです。
このほか、金融機関によっては5年ルール・125%ルールを採用していない場合があるとされています。ただし本記事では、個別の金融機関の採用状況を一次情報で確認できていないため、銀行名を挙げた記述はしません。
結論は1つです。一般論で判断せず、自分の契約書を見てください。 次の章がその手順です。
7. 「自分の場合」を確認するチェックリスト
ここからは手を動かすパートです。所要10分ほどで終わります。
7-1. 契約書(金銭消費貸借契約証書)・商品説明書で見る6項目
| 確認する項目 | 何を見るか | なぜ必要か |
|---|---|---|
| ① 基準金利の名称 | 「短期プライムレート連動長期貸出金利」など、何に連動しているか | ニュースのどの金利を見ればいいかが決まります |
| ② 金利見直しの基準日 | 毎月1日か、4月1日・10月1日か | いつ利率が変わるかが決まります |
| ③ 新利率の適用開始 | 「○月の返済日の翌日から」「○月の約定返済分より」の記載 | 返済に効いてくる月が確定します |
| ④ 返済額の見直し周期 | 5年ごとか、毎回変わるか | 5年ルールの有無が分かります |
| ⑤ 増額の上限 | 「125%を超えることはありません」の記載の有無 | 急変の上限があるかが分かります |
| ⑥ 返済方式 | 元利均等返済か、元金均等返済か | ④⑤の適用が変わります |
- 借入先の公式サイトの「商品説明書(商品概要説明書)」PDFに、同じ内容が書かれています
- 契約中の条件は、借入先のコールセンターや窓口でも確認できます
- 「うちの契約は5年ルールと125%ルールがありますか。基準日はいつで、新しい利率はいつの返済分から反映されますか」——この2つを聞けば、必要な情報はそろいます
7-2. 銀行アプリ・会員ページで見る4項目
- 現在の適用利率(何%か)
- 返済予定表(毎回の返済額のうち、元金がいくら・利息がいくらか)
- 次回の金利見直し予定と、「ご返済のお知らせ」の発行時期
- 残高と残りの回数
このうち2番が最重要です。利息の割合が分かれば、金利が0.25%上がったときに何が起きるかを自分で概算できます(次章)。
三菱UFJ銀行のお知らせでは、新しい利率を反映した「ご返済のお知らせ」の発行時期が、毎月型は2026年10月上旬頃、年2回型は2026年11月上旬頃と案内されています。
このように、金利が見直されたあとに書面やアプリで通知が来るのが一般的です。届いたら、前回のものと並べて、利息と元金の内訳がどう変わったかを見る。これが一番早い確認方法です。
8. 試算:残高3,000万円・残り30年で、金利が0.25%上がったら
数字で見ておきます。以下はすべて仮定を置いた試算で、実際の金額は契約内容によって変わります。
- ローン残高:3,000万円
- 残りの返済期間:30年(360回)
- 返済方式:元利均等返済・ボーナス返済なし
- 適用利率:年0.875% → 年1.125%(0.25%の上昇)
- 手数料・保証料・団信の費用は考慮していません
- 計算式
- 毎月の返済額 = 残高 × 月利 ÷ {1 -(1+月利)^−回数}(月利=年利÷12)
- 1か月分の利息 = 残高 × 年利 ÷ 12
8-1. まず「利息がいくら増えるか」だけを見る
いちばん簡単な概算はこれです。
3,000万円 × 0.25% ÷ 12 = 月あたり約6,250円
金利が0.25%上がった直後の、1か月分の利息の増加はこれくらいです(残高が減っていけば、この額も小さくなっていきます)。年に直すと約7万5,000円です。
8-2. 3つのケースを並べる
| 金利0.875%のまま | 1.125%・5年ルールあり | 1.125%・5年ルールなし | |
|---|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 約94,800円 | 約94,800円(据え置き) | 約98,200円(+約3,400円) |
| 上昇直後の1か月の利息 | 21,875円 | 28,125円 | 28,125円 |
| うち元金に回る額 | 約72,900円 | 約66,700円 | 約70,100円 |
| 5年後(60回後)の残高 | 約2,553万円 | 約2,589万円 | 約2,568万円 |
- 5年ルールがあると、毎月の引き落とし額は1円も変わりません(約94,800円のまま)
- しかし利息は21,875円→28,125円に増えているので、元金に回る額が月あたり約6,200円減ります
- その結果、5年後の残高が約36万円多く残ります(金利が上がらなかった場合と比べて)
- 返済額が増えるケース(5年ルールなし)と比べても、5年後の残高は約21万円多い
つまり5年ルールは、負担を消すのではなく、後ろへ動かす仕組みです。

「返済額が変わらないなら大丈夫」と思っていたら、5年後に残高が36万円多く残っていた。
このズレを知らないまま5年を過ごすのが、いちばんもったいないと思っています。
逆に言えば、月6,250円を別で積んでおけば追いつけるというサイズ感でもある。手の打ちようはあります。
上の数字は、**残高3,000万円・残り30年・元利均等・0.875%→1.125%**という仮定でぼくが計算した概算です。端数処理の方法、返済日、日割計算の扱い、ボーナス返済の有無によって実際の金額は変わります。
ご自身の正確な金額は、借入先の返済予定表と試算ツールでご確認ください。 多くの銀行が、会員ページで金利変更後の返済予定表を出せるようにしています。
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9. 金利が上がる局面で、家計側にできること(中立に整理)
ここは「こうすべき」ではなく、選択肢を並べるだけにします。どれが合うかは、残高・残り期間・手元資金・家族構成で変わるためです。
| 選択肢 | 効果 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 何もしない(様子を見る) | 手元資金を維持できる。5年ルールがあれば当面の返済額も変わらない | 元金の減りは遅くなる。5年後の見直しで返済額が上がる可能性 |
| 繰上返済(一部) | 元金を減らし、将来の利息を確実に減らせる | 手元資金が減る。教育費・修繕費など近い支出への耐久力が下がる。手数料の有無は要確認 |
| 固定金利へ切り替え・借り換え | 返済額を確定できる | 切替時点の固定金利は変動より高いのが一般的。手数料・諸費用・審査がある |
| 返済額の増加分を先に積む | 5年後の見直しに備えられる。使わなければ繰上返済にも回せる | 強制力がないので、仕組み化しないと続かない |
判断の順番として、①自分の契約条件を確認する → ②金利が0.25%上がったときの利息増を概算する → ③その金額を手元で吸収できるか確かめる、という順に進めるのが崩れにくいと思っています。
③で「吸収できない」となって初めて、繰上返済や借り換えといったコストのかかる手段を検討する。順番を逆にすると、必要のない手数料を払うことになりかねません。
繰上返済と新NISAのどちらを優先するかという論点は、『住宅ローン繰上返済 vs 新NISA積立、公務員はどちらを優先すべき?』で判断軸を整理しています。あわせて読むと、**金利の話(この記事)と配分の話(あちらの記事)**が分けて考えられるようになります。
共済組合の住宅貸付は、民間金融機関の住宅ローンとは別の制度で、利率は共済組合が定めます。
本記事では、各共済組合の貸付利率と改定の仕組みを一次情報で確認できていないため、利率の水準や改定時期は書いていません。民間ローンと共済の貸付を併用している場合、金利の決まり方も見直しの時期も別々なので、それぞれの書面で分けて確認してください。詳細は所属の共済組合の貸付事業の案内でご確認ください。
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10. まとめ
- 2026年9月18日、日銀は政策金利を1.25%程度へ引き上げました(賛成7・反対2・9月24日から適用)。それでも返済額がすぐ増えるわけではありません
- 政策金利の流れは、6月16日に1.0%程度 → 7月31日は据え置き → 9月18日に1.25%程度
- 三菱UFJ銀行の短期プライムレートは2.375%→2.625%(2026年11月2日から)
- 三菱UFJ銀行の案内では、今回の分は毎月型が2027年2月、年2回型が2027年7月の約定返済分から反映
- auじぶん銀行の住宅ローン基準金利は年3.141%→年3.741%(2026年10月1日から・+0.600%)。借入中の人は12月の約定返済日の翌日から新金利、元利均等なら今回の改定で返済額は変わらず、元金均等は2027年1月の返済から新しい返済額に
- 利上げから返済額までは4段:政策金利 → 短期プライムレート → 各行の基準金利 → 自分の返済
- 実例では、6月16日の決定 → 短プラの改定は8月3日 → 年2回型の基準金利見直しは10月1日 → 返済への反映は2027年1月の約定返済分から
- 年2回型の基準日は4月1日・10月1日で、反映は7月・1月の返済分から(毎月型はもっと早い)
- 5年ルール=元利均等返済の返済額を5年間据え置く取り扱い。利息の計算は新しい利率で行われ、元金の減りが遅くなります
- 125%ルール=見直し後も従来の1.25倍が上限。ただし払いきれない分は最後に残ります
- 未払利息=利息が返済額を上回ったときに発生。返済額据え置きの裏側にあるリスク
- これらのルールが無い契約もあります(元金均等返済など)。自分の契約書・商品説明書で確認してください
- 試算(残高3,000万円・残り30年・0.875%→1.125%)では、月の利息が約6,250円増え、5年後の残高が約36万円多く残る

金利のニュースは、今後もたびたび流れると思います。
そのたびに不安になるより、一度だけ契約書を開いて、6つの項目を確認しておく。
それだけで、次からは「ああ、うちは1月の返済分からだな」と分かる。不安が予定に変わります。
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本記事は2026年9月25日時点で公表されている日本銀行、三菱UFJ銀行、auじぶん銀行および一般社団法人全国銀行協会の資料をもとに、30代地方公務員の個人視点で整理した情報提供であり、特定の金融商品・サービスの購入や申込、住宅ローンの借り換え・繰上返済を勧誘するものではありません。政策金利に関する記述は日本銀行の2026年6月16日・7月31日・9月18日の公表文、短期プライムレートに関する記述は日本銀行の統計、基準金利の見直し日・適用時期・5年ルール・125%ルール・未返済残高の取り扱いに関する記述は三菱UFJ銀行の住宅ローン商品説明書(2026年6月17日現在)および同行のお知らせ(2026年9月18日現在のものを含む)、三菱UFJ銀行の短期プライムレートの改定は同行の2026年9月18日付発表「短期プライムレートの改定について」、auじぶん銀行の基準金利の改定と借入中の人への適用時期は同行の2026年9月18日付発表「住宅ローン基準金利の改定について」、変動金利型の一般的な仕組みと未払利息に関する記述は全国銀行協会の解説にもとづいています。銀行名を挙げた記述は、いずれも各社が公表している記載に基づく事実の紹介であり、特定の金融機関をおすすめするものではありません。基準金利の名称・見直しの基準日・新利率の適用時期・返済額の見直し周期・増額の上限の有無・未払利息の取り扱いは、金融機関および契約内容(返済方式を含む)によって異なります。本記事の試算は、ローン残高3,000万円・残り30年・元利均等返済・ボーナス返済なし・年0.875%から年1.125%への上昇という仮定にもとづく概算であり、手数料・保証料・団体信用生命保険の費用・日割計算・端数処理は考慮していません。実際の適用利率、返済額、利息と元金の内訳、変更の時期は、必ずご自身の契約書(金銭消費貸借契約証書)と返済予定表でご確認いただき、最終判断は契約先の銀行へご相談ください。三菱UFJ銀行・auじぶん銀行以外の各行の短期プライムレートおよび基準金利の見直し内容は、各行の公式発表でご確認ください。
参考(2026年9月25日時点)
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三菱UFJ銀行「短期プライムレートの改定について」(2026年9月18日):https://www.bk.mufg.jp/news/news2026/pdf/news0918.pdf
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auじぶん銀行「住宅ローン基準金利の改定について」(2026年9月18日):https://www.jibunbank.co.jp/announcement/2026/pdf/0918_02/20260918_01.pdf
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日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日):https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918a.pdf
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三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2026年9月18日現在):https://www.bk.mufg.jp/info/hendoukinri5.html
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日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年6月16日):https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260616a.pdf
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日本銀行「当面の金融政策運営について」(2026年7月31日):https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260731a.pdf
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日本銀行「金融政策決定会合の日程」:https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/index.htm
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日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」:https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/prime/prime.htm
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三菱UFJ銀行「住宅ローン 商品説明書」(2026年6月17日現在):https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/shouhin/jloan/pdf/jl_setsumei_02.pdf
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三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2026年6月17日現在):https://www.bk.mufg.jp/info/hendoukinri4.html
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三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2025年12月19日):https://www.bk.mufg.jp/info/hendoukinri3.html
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三菱UFJ銀行「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」(2025年1月24日):https://www.bk.mufg.jp/info/hendoukinri2.html
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全国銀行協会「変動で返す?固定で返す?住宅ローンの金利タイプ」:https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-d/5212/
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全国銀行協会「変動金利住宅ローンの未払利息とは?」:https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-d/7824/

公務員ヒロ
30代地方公務員 / 資産1,000万円超達成(民間→地方公務員)
「給料だけで資産1,000万円を超えるまでにやったことを、再現性重視で発信中。難しい知識は不要。」

