高額療養費の上限見直しでも、公務員はいったん落ち着いて。共済の『附加給付』で自己負担が月2.5万円ほどで頭打ちになる仕組み【2026年版】
高額療養費と共済の附加給付公務員の自己負担の上限
高額療養費の自己負担上限は2025年にいったん見送り・撤回され、その後2026年8月・2027年8月の2段階で見直す形に組み直されました(2026年7月時点ではまだ施行前)。31歳・地方公務員のヒロが、公務員・私学の共済にある『一部負担金払戻金(附加給付)』の仕組みを整理。高額療養費で軽減された後、さらに基礎控除額(多くの組合で25,000円)を超えた分が払い戻され、実質の月負担が2.5万円ほどで頭打ちになる流れを、区分ウ・医療費100万円の具体例で解説します。基礎控除額は組合ごとに異なり要確認です。
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1. 結論:ニュースの見出しだけで身構えなくて大丈夫
「高額療養費の自己負担上限が引き上げ」——そんな見出しを見て、医療費が急に重くのしかかってくるのでは、と不安になった公務員の方もいるかもしれません。

31歳・地方公務員のヒロです。
先に大事なところを言うと、この話は2026年7月時点ではまだ施行前で、しかも公務員には共済の「附加給付」というクッションがあります。まずはいったん落ち着いて、仕組みを整理していきましょう。
- 高額療養費の上限引き上げは、2025年にいったん見送り・撤回され、その後2段階で見直す形に組み直された(2026年7月時点ではまだ施行前)
- 公務員・私学の共済には「一部負担金払戻金(附加給付)」があり、高額療養費で軽くなった後にさらに上乗せで払い戻される
- その結果、実質の月負担が多くの組合で25,000円あたり(=2.5万円ほど)で頭打ちになる仕組み
- ただし基礎控除額は組合ごとに異なり、上位所得者は50,000円のことも。今後も変わらない保証はない
2. そもそも「高額療養費制度」とは
高額療養費制度は、1か月(同じ月の1日〜末日)に医療機関の窓口で支払った自己負担額が一定の上限(自己負担限度額)を超えたとき、超えた分が後から払い戻される公的医療保険の仕組みです。公務員も加入している共済組合を通じて対象になります。
自己負担限度額は所得(標準報酬)によって区分され、2026年7月に適用されている70歳未満の区分は次のとおりとされています。
| 所得区分(年収の目安) | 1か月の自己負担限度額(70歳未満) |
|---|---|
| 区分ア(約1,160万円〜) | 252,600円+(医療費−842,000円)×1% |
| 区分イ(約770〜1,160万円) | 167,400円+(医療費−558,000円)×1% |
| 区分ウ(約370〜770万円) | 80,100円+(医療費−267,000円)×1% |
| 区分エ(〜約370万円) | 57,600円 |
| 区分オ(住民税非課税) | 35,400円 |
直近12か月に3回以上、高額療養費の上限に達した場合は、4回目以降の限度額がさらに下がる「多数回該当」という仕組みもあります。長期の治療が続くケースでは、負担がもう一段軽くなる場合があるということです。
多くの公務員は区分ウ(約370〜770万円)に当てはまることが多いと考えられます。この区分だと、月の限度額はざっくり8万円台が目安になります。
3. いま「2段階の見直し」はどういう状況?(2026年7月時点)
ここが今回いちばん誤解されやすいところです。ニュースの見出しだけを見ると「もう上限が上がった」と受け取ってしまいがちですが、実際の経緯はこうです。
- 高額療養費の自己負担上限の引き上げは、2025年にいったん見送り・撤回された
- その後あらためて、2段階で実施する形に組み直された
- 厚生労働省の資料では、令和8年(2026年)8月から月額の負担上限額を見直し、令和9年(2027年)8月から所得区分をよりきめ細かくする、とされている
- 2026年7月時点では、まだ施行前。具体的な数値・最終的な内容は今後の公式発表次第

つまり「もう大増額が確定して、いまの家計に降りかかっている」わけではないんだよね。
本記事では、まだ確定していない見直し後の具体的な数値には踏み込まず、「2段階で見直される予定」というところまでにとどめておくよ。数字が独り歩きするのがいちばん怖いから。
なので、まずやるべきは慌てて何かを解約したり保険を増やしたりすることではなく、自分がすでに持っているセーフティネットを正しく把握することです。公務員にとって、その中心が次に説明する共済の附加給付です。
4. 公務員の切り札:共済の「附加給付(一部負担金払戻金)」
公務員や私学の教職員が加入する共済組合には、高額療養費に加えて、独自の上乗せ給付があります。名称は組合によって「一部負担金払戻金」「附加給付」などと呼ばれます。
- 高額療養費で軽減された後に、さらに上乗せで払い戻される給付
- 1か月・医療機関ごとの自己負担のうち、組合が定める基礎控除額を超えた分が戻る
- 結果として、実質の月負担がその基礎控除額のあたりで頭打ちになる
- 多くの組合で基礎控除額は25,000円(=実質2.5万円ほどで頭打ち)
基礎控除額の実例として、公表されている範囲では次のような設定が見られます(いずれも組合の規程によります)。
| 共済組合の例 | 基礎控除額(1か月・医療機関ごと) |
|---|---|
| 私学共済 | 25,000円 |
| 地方職員共済 | 25,000円(上位所得者は50,000円) |
| 国家公務員共済(KKR)・公立学校共済 | 25,000円(上位所得者は50,000円) |
ここで言う「上位所得者」は、標準報酬がおおむね月53万円以上の人を指すとされ、その場合の基礎控除額は50,000円になります。つまり「公務員なら誰でも一律2.5万円」ではない、という点は押さえておいてください。

イメージとしては「高額療養費で8万円台まで下げてくれて、そのあと共済の附加給付が『25,000円を超えた分』をもう一段返してくれる」二段構え。
だから多くの公務員にとって、1か月の実質負担は2.5万円くらいが上限の目安になる、というわけ。
5. 具体例:区分ウの人が、1か月に医療費100万円かかったら
言葉だけだと分かりにくいので、数字で追ってみます。区分ウ(約370〜770万円)の公務員が、ある月に医療費(保険適用・10割ベース)が100万円かかったケースです。
- 所得区分は区分ウ、基礎控除額は25,000円の共済組合を想定
- 医療費はすべて保険適用(先進医療・自由診療・差額ベッド代などは含まない)
- 1か月・1つの医療機関でまとまってかかった単純なケース
| ステップ | 金額の動き |
|---|---|
| ① 窓口での自己負担(3割) | 1,000,000円 × 3割 = 300,000円 |
| ② 高額療養費で限度額まで軽減(区分ウ) | 80,100円+(1,000,000−267,000)×1% = 約87,430円 |
| → 高額療養費で戻る額 | 300,000 − 87,430 = 約212,570円 |
| ③ 附加給付で「25,000円を超えた分」を払戻 | 87,430 − 25,000 = 約62,430円 |
| → 最終的な実質自己負担 | 約25,000円 |

100万円かかっても、いったん窓口で30万円払い、高額療養費で8万7千円ほどまで下がり、さらに附加給付で最終的に2.5万円ほどに収まる、という流れ。
この「最後の頭打ちライン」を決めているのが、共済の基礎控除額なんだよね。
附加給付の計算では、1,000円未満を切り捨てるなど端数処理のルールが組合ごとに異なります。そのため実際の払戻額・最終負担額は、上の概算と数百円〜千円単位でずれることがあります。正確な金額は必ずご自身の共済組合の規程でご確認ください。
ちなみに、こうしてかかった医療費は、確定申告の医療費控除の対象になる場合もあります(附加給付や高額療養費で補填された分は差し引いて計算します)。公務員の医療費控除の考え方は『公務員の医療費控除【2026年版】』で別途くわしく整理しているので、あわせて読むと家計目線での全体像がつかめます。
6. 注意点:ここは「変わりうる」ことを前提に
安心材料の多い制度ですが、過信は禁物です。次の点は必ず頭の片隅に置いておいてください。
- 基礎控除額(25,000円など)は各共済組合が独自に定めており、組合ごとに異なり得る
- 上位所得者(標準報酬おおむね月53万円以上)は50,000円とされる組合がある=「全員2.5万円」ではない
- 附加給付そのものが改定・縮小・廃止される可能性もゼロではなく、今後も変わらない保証はない
- 先進医療・自由診療・差額ベッド代・入院中の食事代などは、そもそも高額療養費・附加給付の対象外
- 別々の医療機関・別々の月にまたがる負担は、合算されず頭打ちが効きにくいことがある

「公務員は附加給付があるから民間の医療保険はいらない」と言い切るのは、ちょっと乱暴かなと思う。
対象外の費用もあるし、制度は改正されることもある。いまの自分の共済がどうなっているかを一度確認したうえで、必要な備えを考えるのが順番だよね。
まずやるべきは、自分の共済組合の「一部負担金払戻金/附加給付」の基礎控除額がいくらかを、組合のパンフレットやマイページ、窓口で確認することです。ここが分かれば、「もし大きな病気をしても、1か月あたりの負担はだいたいこのくらいで止まる」という見通しが立ち、過剰に不安になったり、逆に無防備になったりせずに済みます。
7. まとめ
- 高額療養費の上限引き上げは2025年にいったん見送り・撤回され、その後2段階で見直す形に組み直された(2026年7月時点ではまだ施行前)
- 具体的な見直し後の数値は未確定。ニュースの見出しだけで身構えなくてよい
- 公務員・私学の共済には「一部負担金払戻金(附加給付)」があり、高額療養費で軽くなった後にさらに上乗せで払い戻される
- 多くの組合で基礎控除額は25,000円=実質の月負担が2.5万円ほどで頭打ちになる
- ただし上位所得者は50,000円のことがあり、金額は組合ごとに異なる。今後も変わらない保証はない
- まずは自分の共済組合の基礎控除額を確認するのが第一歩
医療費は、金額の大きさそのものより「どこまで自分が負担するのか分からない」ことが不安の正体だったりします。公務員の場合、その上限のイメージを共済の附加給付でつかんでおけば、いざというときも慌てず対応しやすくなります。
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本記事は2026年7月12日時点で公開されている厚生労働省・各共済組合等の一般的な情報をもとに、31歳地方公務員の個人視点で整理した情報提供であり、特定の保険・金融商品・サービスの加入や解約を勧誘するものではありません。高額療養費の自己負担限度額、共済組合の一部負担金払戻金(附加給付)の基礎控除額・計算方法・端数処理・支給時期・手続きの要否などは、所属する共済組合や制度改正によって異なり、また今後変更される可能性があります。本文中の金額はいずれも一定の前提を置いた概算・目安であり、実際の負担額・払戻額を保証するものではありません。高額療養費の自己負担上限の見直し(令和8年8月・令和9年8月の2段階とされるもの)は本記事作成時点で施行前であり、最終的な内容・数値は確定していません。制度は改正されることがあります。最新かつ正確な情報は、必ずご自身が加入する共済組合・厚生労働省などの公式情報でご確認いただき、必要に応じて共済担当・税務署・FPなど専門家にもご相談ください。
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公務員ヒロ
30代地方公務員 / 資産1,000万円超達成(公務員8年目)
「給料だけで資産1,000万円を超えるまでにやったことを、再現性重視で発信中。難しい知識は不要。」

