ふるさと納税は10月から何が変わった?改悪・返礼品の疑問に答える|旧「5割ルール」が「6割ルール」へ

2026年10月1日のふるさと納税改正で「改悪?」「返礼品は減る?」と不安になった方へ。寄附する側の手続きは変わらず、返礼品の3割上限も控除の仕組みも据え置きです。改正の本体は自治体側のルールで、総務省告示の「募集費用5割以下」基準が削除され、法律に「6割ルール」(寄附金活用可能額・令和8年は52.5%から段階適用)が置かれました。何が変わって何は変わらないのかを、総務省の一次資料で整理しました。
📋目次(タップで折りたたみ)全 36 項目
1. 結論:2026年10月改正の本体は「6割ルール」
2026年10月1日、ふるさと納税のルールがまた変わりました。ただ、ネットでよく見る「地場産品基準が厳格化される」「9月までに駆け込め」という説明は、改正の本体を外しています。
2026年10月改正の中心にあるのは、寄附金のうち自治体の手元に残る額を寄附総額の6割以上にするという新しい基準、いわゆる 6割ルール(寄附金活用可能額) です。これは自治体とポータルサイト事業者の間の「お金の配分」の話であって、寄附する側の手続きも、控除の仕組みも変わりません。

31歳・地方公務員のヒロです。
毎年ふるさと納税で5万円ほど寄附して、ハム・お米・果物の返礼品を楽しみにしている人は多いよね。
今回の改正は「寄附する側が慌てる話」じゃないんだ。何が変わって、何は変わらないのかを、総務省の資料の言葉そのままで整理していくね。
この記事は、2026年8月31日時点で総務省が公表している告示・通知・改正概要をもとに整理しています。推測は書かず、一次資料に書かれていることと、そこから確実に言えることだけをまとめました。
- 改正の本体である 6割ルール(寄附金活用可能額) の中身と、段階適用のスケジュール
- 根拠が 総務省告示ではなく法律(地方税法) であること
- 地場産品基準は「厳格化」ではなく、算出方法の明確化と証明・公表の義務化であること
- 返礼品の3割ルールは変更なし。熟成肉・精米の扱いも変わらないこと
- 適用時期が違う2つ(2026年9月の支払先公表、令和9年寄附分からの193万円上限)
- 「10月から損する」という煽りに、総務省自身が釘を刺していること
- ふるさと納税の制度自体が無くなるわけではない
- 一般の寄附者が2026年10月に向けて慌ててやることは、基本的にありません
- 変わるのは主に 自治体とポータル事業者の間のお金の配分
- 寄附する側への影響は「返礼品のラインナップが今後じわじわ変わりうる」程度
- 楽天カード等のクレカ決済ポイントは引き続き継続(規制の対象外)
- どうしても欲しい定番品があるなら早めに動くのは合理的、という程度の話
たとえば、毎年5万円ほどふるさと納税で寄附している人(限度額の8割程度を目安にしている人)なら、2025年9月のポイント還元廃止のときに「もうふるさと納税は終わりか…」と一瞬迷った、という方も多いはずです。ただ、2025年10月以降の寄附で計算してみると、楽天カード決済の1%還元(5万円なら500円)は引き続き残っていて、実質負担はほぼ変わりません。2026年10月の付加価値基準改正でも制度自体は終わらないので、ハム・お米・果物などの定番返礼品を早めに確保して、年末の駆け込みを避ける、という進め方も現実的です。
2. 2026年前後に「変わること」と「変わらないこと」
まず全体像です。ひとまとめに「2026年10月改正」と語られがちですが、適用時期が違うものが混ざっているので、時期で分けて並べます。
| いつから | 何が変わるか | 寄附する側への影響 |
|---|---|---|
| 2025年10月(実施済み) | ポータルサイトによるポイント付与の禁止 | ポータル独自ポイントはゼロ。カード決済分は継続 |
| 2026年9月 | 募集費用の支払先一覧の公表(1支払先あたり年間100万円以上) | 自治体側の公表義務。手続きは変わらない |
| 2026年10月 | 6割ルール(寄附金活用可能額)の新設=改正の本体 | 自治体とポータル事業者のお金の配分の話 |
| 2026年10月 | 付加価値割合の算出方法の明確化と、証明・公表の義務化 | 返礼品のラインナップが今後変わりうる |
| 2026年10月 | 広報目的基準の明確化 | ロゴ入りグッズ等の扱いが整理される |
| 令和9年(2027年)寄附分 | 特例控除額に193万円の上限 | 2026年中の寄附には無関係 |
- 返礼品の返礼割合3割の上限(総務省資料の図に「返礼品 上限3割(変更なし)」と明記)
- 食肉の熟成・玄米の精白の扱い(改正前後で同内容。ただし書きに位置が移っただけ)
- クレジットカード会社が決済に付ける通常ポイント(ポータル運営事業者による付与ではないため)
- ワンストップ特例・確定申告の仕組み、上限額の計算方法

「10月からふるさと納税が改悪される」ってよく見かけるけど、返礼品の3割上限も、控除の計算も、申請のやり方も変わらない。
変わるのは、自治体が集めた寄附金の “使いみちの配分” のほうなんだ。
なお、2025年9月30日をもってポータルサイト独自のポイント還元は廃止済みです。ここは2026年10月の改正とは別のルール(募集適正基準)で、条文の位置も違います。
- ポータル独自のポイント(楽天ポイント加算、ふるなびコイン等)は 2025年9月で終了
- ただし、クレジットカードの決済ポイント は対象外で継続
- 楽天ふるさと納税を楽天カードで決済 → カード会社側のポイントは引き続き付与
- このルールは募集適正基準(告示第179号 第3条第1号ロ(2))側の話で、今回の6割ルール(第4条)とは別の基準です
サイト別の詳細は ふるさと納税は楽天とYahoo!どっち? でも整理しています。
3. 改正の本体:6割ルール(寄附金活用可能額)
3-1. 根拠は告示ではなく「法律」
ここが一番誤解されやすいところです。6割の基準は総務省告示ではなく、法律(改正後の地方税法第37条の2第2項第2号イ)に置かれます。条文はこうです。
指定対象期間において受領する第一号寄附金の額の合計額から……募集に要する費用の額……を控除して得た額(「寄附金活用可能額」という。)が、当該指定対象期間において受領する第一号寄附金の額の合計額の百分の六十に相当する金額以上であること。
つまり「寄附総額 − 募集に要する費用 = 寄附金活用可能額」が、寄附総額の60%以上でなければならない、というルールです。
- 旧:募集に要する費用の合計額が寄附金の額の5割以下 → 総務省告示の基準。総務省資料に「第2条第2号の募集費用総額5割以下基準については削除する」と明記されており、削除されます
- 新:寄附金活用可能額が寄附総額の100分の60以上 → **地方税法(法律)**の基準。告示から法律への“格上げ”という形です
- あわせて、改正後の告示第179号には第4条「寄附金の活用に係る基準」が新設されています
3-2. いきなり60%ではなく、段階的に上がる
総務省の資料は「令和8年指定から段階的に適用する。(R8:52.5%、R9:55%、R10:57.5%、R11:60%)」としています。
| 指定 | 寄附金活用可能額の下限 |
|---|---|
| R8指定(令和8年10月から開始する指定対象期間) | 52.5% |
| R9指定 | 55% |
| R10指定 | 57.5% |
| R11指定 | 60% |
施行日は令和8年10月1日です(総務省資料に「※ いずれも令和8年10月1日施行」、総税市第30号にも「本通知による改正は令和8年10月1日から適用となります」とあります)。総務省の言い回しに最も近く表現すると、令和8年10月から開始する指定対象期間に係る指定(R8指定)から適用されます。
「活用可能額52.5%以上」を裏返せば「募集費用は最大47.5%まで」という計算になります(55%→45%、57.5%→42.5%、60%→40%も同様)。
ただし、この読み替えの数字は総務省の資料には書かれていません。あくまで当ブログによる計算です。ほかの記事で「総務省が示した数値」として47.5%などが出ていたら、出典を確かめてください。
3-3. なぜ6割なのか:ポータル手数料1,656億円
背景の数字を見ると、この改正の狙いがはっきりします。総務省資料による令和6年度の実績です。
- 受入実績:1兆2,728億円
- 返礼品:3,208億円(25.2%)
- 送付・広報・決済:1,017億円(8.0%)
- 事務費等:1,676億円(13.2%)
- 地方団体財源:6,826億円(53.6%)
- 募集費用は合計で 46.4%(旧基準の上限5割に対して)
いま自治体に残っているのは 53.6%。これを 60%以上 に引き上げるのが6割ルールですから、差の約6.4ポイント分をどこかから捻出させる改正、ということになります。そして、名指しされているのがポータルサイト事業者への手数料です。
| 年度 | 募集費用の総額 |
|---|---|
| 令和元年度 | 2,275億円 |
| 令和2年度 | 3,034億円 |
| 令和3年度 | 3,851億円 |
| 令和4年度 | 4,517億円 |
| 令和5年度 | 5,429億円 |
| 令和6年度 | 5,901億円 |
このうち、令和6年度に自治体がポータルサイト運営事業者に支払った費用は1,656億円。寄附受入額の**13%**にあたります。令和8年度税制改正大綱(令和7年12月19日)にも「ふるさと納税の募集費用のうち、ポータルサイト事業者への手数料等は1,656億円と寄附受入額の13%にも達している」と書かれ、「区域外に流出するポータルサイト事業者など外部の事業者に支払う手数料等については、できる限り縮減していく必要がある」とされています。

数字で見ると分かりやすいよね。1兆2,728億円のうち、自治体に残っているのは53.6%。
残りは返礼品と、送料・広報・決済・事務の費用。そのうちポータル事業者への手数料が1,656億円。
ここを縮めて自治体の取り分を60%まで戻そう、というのが今回の改正の狙いなんだ。
4. あわせて新設:寄附金活用可能額の「使途」の公表義務
改正後の告示第179号 第4条第2項では、自治体に残った額の使いみちを公表することが求められます。
……地方自治法第233条第3項の規定により決算を議会の認定に付したときに、遅滞なく、……寄附金活用可能額の使途に関する事項について、当該地方団体のウェブサイトに掲載することにより行う。ただし、天災その他やむを得ない理由のある場合はこの限りでない。
- 自治体に残ったお金が何に使われたのかが、決算を議会の認定に付したあと、遅滞なくウェブサイトで公表される
- 「返礼品で選ぶ」だけでなく「使い道で選ぶ」ための材料が増える方向
- 寄附する側に新しい手続きが発生するわけではありません
5. 地場産品基準は「厳格化」ではなく「明確化」
ここは、当ブログの過去バージョンを含めて誤って書かれがちなところなので、訂正を兼ねて整理します。
- 「2026年10月から付加価値基準が始まる」→ 誤り。付加価値基準は以前からある基準です。2026年10月に変わるのは、算出方法の明確化と、証明・公表の義務化です
- 「熟成肉や精米のルールが厳しくなる」→ 誤り。改正前の「食肉の熟成又は玄米の精白 当該地方団体の属する都道府県の区域内において生産されたものを原材料とするもの」は、改正後も同内容がただし書きに移っただけで、実質同一です
- 「返礼品の3割ルールも厳しくなる」→ 誤り。総務省資料の図に「返礼品 上限3割(変更なし)」と明記されています
そのうえで、R8指定(令和8年10月)から適用と明記されている変更点は、次の3つです。
5-1. 広報目的基準の明確化
- 直近1年間に、その自治体が自ら広報目的で調達・配布・販売した実績があること
- 指定対象期間中も、その調達・配布・販売の計画があること
- 返礼品の提供数が、配布・販売の実績数量を超えないこと
5-2. 付加価値基準の算出方法の明確化と、証明・公表
- 付加価値割合の算出方法について、価格に基づく算出を原則とする
- 製造者が「価値の過半が区域内で生じた」ことを証明する
- 自治体は、返礼品の提供開始日までに、その証明内容を一覧で公表する(告示第6条第3号イ・ロ)
「新しい基準ができた」のではなく、同じ基準を、価格ベースで算出し、証明を取り、公表させる——という運用面の締め直しです。

「付加価値の過半が区域内」という考え方自体は、前からあるルールなんだ。
今回変わるのは、その割合をどう計算して、どう証明して、どこに出すかという手続きの部分。
ただ、証明と公表が要るようになると、これまでギリギリで通していた品は見直される可能性がある。ラインナップがじわじわ変わりうるのは、ここが理由だね。
5-3. 調達費用の妥当性
- 「合理的な理由なく、一般販売価格より高額で調達することがないようにすること」
- 総務省資料が挙げている例は「米国産高級ワイン」で、納品価格12万円/海外輸入価格6万円というケース
- 区域外産の高額品を高値で調達する運用を想定した規定です
6. 時期が違う2つのルール(10月改正と混ぜないこと)
「2026年10月の改正」として一緒くたに紹介されがちですが、適用時期が違うものが2つあります。ここを混ぜている記事はかなり多いので、分けて押さえてください。
6-1. 募集費用の支払先公表は「2026年9月から」
告示第179号 第3条第2号の原文です。
……募集に要する費用の額として一の者に支払った額(一の者に複数の支払を行ったときは、その合計額)が百万円以上であるときは、当該指定対象期間の初日の前日までに、……その支払先の氏名又は名称、住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地、支払額及び支払目的を記載した一覧表を作成し、公表すること。
- 対象:1支払先あたり年間100万円以上の募集費用
- 記載事項:支払先の氏名・名称/住所・所在地/支払額/支払目的
- 支払目的は「調達」「送付」「広報」「決済」「事務」「その他」の6区分
- 公表方法:自治体のウェブサイトに掲載。「特定の者のみ閲覧可能となる形式(登録した者のみ閲覧できるページでの掲載など)は認められない」
- 適用時期:R7年度の募集費用(R8年9月に公表)から。つまり2026年9月末までに各自治体が公表を開始します
⚠ これは10月改正ではなく、その手前の9月から始まるルールです。「10月改正のひとつ」として並べている記事は、時期を取り違えています。
6-2. 特例控除額の193万円上限は「令和9年寄附分から」
総務省資料の原文はこうです。
○ 特例控除額について、**193万円(給与収入1億円相当)**を上限として新たに設定。※1 438万円を寄附した場合の特例控除額。寄附額に上限はない。(特例控除額の上限を超えた場合であっても、基本分の控除の適用あり)※2 令和9年寄附分から適用する。
- 総務省の公式表現は「令和9年寄附分から適用する」(=2027年に寄附した分から)
- 193万円は 給与収入1億円相当の水準。438万円を寄附した場合の特例控除額にあたります
- 寄附額そのものに上限が付くわけではありません。特例控除額の上限を超えた場合でも、基本分の控除は適用されます
- 一般的な公務員家庭には、まず関係のない話です
この論点は ふるさと納税は楽天とYahoo!どっち? でも、サイト選びの文脈で整理しています。
7. 「10月から損する」という煽りに注意(総税市第96号)
ここが、2026年のふるさと納税でいちばん知っておいてほしいところです。
令和8年8月20日、総務省は「ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について」(総税市第96号)を発出しました。
一部ポータルサイトにおいては、「コスパ」、「特別寄附額」、「特別規格」、「家計応援」、「物価高応援」など、通常よりも必要寄附金額が割安であると寄附者に認識させる表現を用いた事例が散見されており、これらは募集適正基準に違反するおそれが高いと考えています。また、将来的な必要寄附金額の引上げを予告して募集を行うことも同様です。
- 「コスパ」「特別寄附額」「特別規格」「家計応援」「物価高応援」など、通常より割安だと寄附者に認識させる表現は募集適正基準違反のおそれが高い
- 将来的な必要寄附金額の引上げを予告して募集することも同様
- しかも「ふるさと納税に関係する外部事業者がポータルサイト上で……行った場合であっても、指定取消の対象となるのは当該地方団体です」とされています
つまり「10月から値上がりするから今のうちに」という売り方そのものが、いま総務省から問題視されている、ということです。改正の中身(6割ルール)を見ても、寄附者の負担額や控除額が10月から変わるわけではありません。

僕は自治体側にいる人間だから正直に書くけど、「9月中に駆け込め」と煽る記事は、いま総務省がいちばん警戒している売り方とほぼ同じ方向を向いてる。
焦らせる情報を見かけたら、まず「何が・いつから・誰に対して変わるのか」を確かめてほしい。そこが書かれていない記事は、たいてい中身も薄いよ。
8. 返礼品のラインナップはどう変わりうるか
ここからは、確定情報ではなく、告示の要件から言えることとして読んでください。
付加価値割合は価格に基づく算出が原則になり、製造者は「価値の過半が区域内で生じた」ことを証明し、自治体は提供開始日までにその証明内容を一覧で公表する必要があります。証明と公表の手間がかかる以上、区域内で生産・加工が完結している品は説明しやすく、区域外の原材料に大きく依存する品は説明の負担が重い——という差は出ます。
ただし、それは「特定の返礼品が無くなると決まった」という意味ではありません。総務省が個別ジャンルの廃止を告知した事実はないので、そこは切り分けてください。
8-1. 区域内で完結している品は、説明がつきやすい
下の表は制度の要件から見た当ブログの見立てであって、総務省が示した区分ではありません。
| ジャンル | 証明・公表のしやすさ(当ブログの見立て) |
|---|---|
| 地元産の米(精米まで地元) | 説明しやすい |
| 地元の漁港で水揚げした魚介 | 説明しやすい |
| 地元産の果物(栽培〜選果) | 説明しやすい |
| 地元の蔵元の日本酒 | 説明しやすい(区域内で製造) |
| 地元の畜産農家の精肉 | 説明しやすい(飼育〜加工) |
| 区域外の原材料に大きく依存する加工品 | 説明の負担が重い |
| 複数地域の品をまとめた組合せセット | 説明の負担が重い |

お米や海産物、果物みたいな、地元で作ってる感が強い返礼品 は引き続き安心して選べる方向。
気にするとしたら「うまいものセット」みたいな、産地がまたがる組合せ品の取扱いがどうなるか、くらいかな。
9. では、寄附する側は2026年に何をすればいいか
結論から言うと、やることはほぼ例年どおりです。改正を理由に予定を組み替える必要はありません。
- 上限額を確認する:住民税決定通知書と源泉徴収票をもとにシミュレーターで計算。年の前半は概算、秋に精密計算
- 上限の範囲内で寄附する:超過分は純粋な自己負担。ポータルのポイント付与も無いので、超えた分をカバーする手段はありません
- 申請を忘れない:5自治体以内・他に申告事項なしならワンストップ特例、それ以外は確定申告
9-1. スケジュールの目安
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 6月 | 上限額の概算計算 | 住民税決定通知書・前年の源泉徴収票ベース |
| 夏〜秋 | 上限の範囲内で計画的に寄附 | 12月にまとめるより配送も手続きも楽 |
| 2026年10月 | 改正後のラインナップを観察 | 急いで買い足す必要はありません |
| 11〜12月上旬 | 残りを精密計算で寄附 | 昇給・賞与確定後に上限を再計算 |
| 2027年1月10日まで | ワンストップ特例の申請 | 5自治体以内であることが条件 |
返礼品のラインナップは、付加価値割合の証明・公表が求められる関係で、今後じわじわ変わる可能性があります。どうしても欲しい定番品があるなら、例年より少し早めに寄附しておくのは合理的です。
ただしそれは「10月から損をするから」ではなく「取扱いが変わるかもしれないから」という理由です。上限額を超えてまで前倒しする意味はまったくありません。
9月末は配当・優待の権利日や電気・ガス支援の終了とも重なるので、期限をまとめて確認したい方は『連休前に片づける9月末の3点』もあわせてどうぞ。
楽天ふるさと納税で2026年分の上限額をチェック
まずは上限額の確認から。楽天カード決済分のポイントは引き続き付与されます
※当サイトはアフィリエイトプログラムを使用しています
9-2. 毎年リピートされやすい返礼品の例
毎年リピートする人が多いのは、たとえば次のようなジャンルです。
- お米(米系、影響小)
- ホタテなどの海産物(海産系、影響小)
- シャインマスカットなどの果物(果物系、影響小)
いずれも区域内で生産・加工が完結しているジャンルなので、改正を理由に慌てる必要はありません。産地がまたがる組合せ品をリピートしている人だけ、取扱いの変化を気にしておけば十分です。
そして何より、むやみに上限を超えて寄附しないこと。超過分は単なる自己負担です。
9-3. 残っている還元は「カード決済分」だけ
ポータル独自ポイントは廃止されましたが、クレジットカード会社が決済に付ける通常ポイントは継続しています。ここを取りこぼさない設定にしておくのが、地味ですが確実な一手です。
| カード | ふるさと納税利用時の還元目安 |
|---|---|
| 楽天カード × 楽天ふるさと納税 | 1.0%(カード決済分) |
| 三井住友カード(NL)× さとふる | 0.5〜1.0% |
| JCB CARD W × ふるなび | 1.0%前後 |
| dカード × ふるさとチョイス | 1.0%+ポイント連携 |

たとえば楽天ふるさと納税×楽天カードでまわす人なら、
決済を還元率のいいクレカに寄せておくだけで、ポイント廃止後でも決済分の1%は確実に戻ってくる。
クレカポイントは2026年10月以降も継続予定だから、ここの設計はやっておいて損なし。
10. ポータルサイト別の見方
メインで使っているポータルごとに、2026年10月改正との向き合い方を整理します。どのサイトでも寄附者の手続きが10月から変わるわけではないので、あくまで「見るポイント」の話です。
10-1. 楽天ふるさと納税
- 楽天カード決済分の1% はそのまま有効(SPU・買い回りは2025年10月から対象外)
- 産地がまたがる組合せ品をリピートしているなら、取扱いの変化を確認しておく
- 2026年10月以降は、産地・加工地の表示が明確な返礼品 を中心に
- 「ポイント還元再開」の噂が出てもクレカポイント以外は警戒
10-2. さとふる
- ラインナップが豊富で地場産品の表示が比較的丁寧
- 加工品の原料表記までしっかり見ておくと、改正後の選び方に活きる
- ワンストップ特例の電子申請に強いので、手続きの楽さ重視派 に向く
10-3. ふるなび
- 家電・PC等の特殊カテゴリに強い(ただし家電は地場産品要件が厳しい)
- ふるなびコイン関連の独自施策は、改正後の規制動向を要確認
- アマゾンギフトとの連携施策がある時期は、規約変更を都度チェック
10-4. ふるさとチョイス
- 掲載自治体数No.1 で、地場産品の選択肢が広い
- 2026年10月改正後の 新ラインナップを最初に見やすい 立ち位置
- 「改正後も残った返礼品」を確認するのに向いている
10-5. ふるさと本舗
- 食品系に強く、冷凍・冷蔵の高品質返礼品 が豊富
- 産地・加工地の表示を見比べる材料が多い
- リピート購入派は、定番品の取扱いが続いているかを年に一度チェック
11. 公務員ならではの注意点
最後に、公務員の方が気をつけておきたいポイントをまとめます。
11-1. 上限額は「住民税所得割の20%」を目安に
- 公務員でも上限額の計算ロジックは民間と同じ
- ざっくりは 住民税所得割×20%+2,000円
- 住民税決定通知書(毎年6月) を見れば前年の所得割が分かる
- 詳しくは 住民税決定通知書の見方 を参照
11-2. ワンストップ特例 vs 確定申告の選び方
- 5自治体以内・他に申告事項なし → ワンストップ特例
- 6自治体以上 or 医療費控除あり → 確定申告
- 公務員はもともと確定申告しない人が多いので、ワンストップ特例が基本
- 詳細は ワンストップ特例 vs 確定申告
11-3. 「副業申請が要るのでは?」と心配しなくてOK

たまに「公務員がふるさと納税やって大丈夫?」って聞かれるけど、これは寄附であって副業じゃない。
所得が増えるわけでも、就業時間外に何か事業をしているわけでもないから、副業申請も人事への届出も不要だよ。
11-4. 公務員のふるさと納税の基本
公務員視点での全体像は、別記事で詳しく書いています。
- 公務員のふるさと納税完全ガイド:上限額・申請・控除確認の流れ
- ふるさと納税は楽天とYahoo!どっち?:ポイント廃止後のサイト選びと193万円上限の整理
- 公務員のお米返礼品おすすめ:区域内で完結しているジャンルの代表
- 公務員の肉返礼品おすすめ:地元飼育の肉系を中心に
12. 2026年ふるさと納税ロードマップ(一例)
参考までに、2026年の進め方の一例を挙げておきます。
- 2026年5〜6月:住民税決定通知書で前年の所得割を確認 → 概算上限額
- 2026年6月:賞与確定後に再計算し、上限の範囲内で寄附を開始
- 2026年7〜9月:お米・海産物・果物などの定番を例年どおり申し込み
- 2026年9月:各自治体の募集費用の支払先一覧の公表が始まるので、寄附先の分を眺めてみる
- 2026年10月:6割ルール開始。ラインナップの変化を観察(買い足しは急がない)
- 2026年11月:年末調整で給与確定 → 上限額の精密計算
- 2026年12月上旬:残りを寄附(混雑と配送遅延を避けるため中旬まで)
- 2027年1月10日まで:ワンストップ特例の申請書を全自治体へ送付

ポイントは 「12月の駆け込みに頼らない」 こと。これは改正と関係なく毎年同じ。
2026年に足すとしたら、9月に公表される支払先一覧をのぞいてみるくらいかな。自分の寄附したお金がどこへ流れているかが見えるのは、けっこう面白いよ。
13. よくある質問
A. いいえ。少なくとも2026年8月31日時点で ふるさと納税制度の廃止予定はありません。地域支援という本来の趣旨に戻す方向の改正が続いている、というのが現在の流れです。
A. 楽天ふるさと納税の サービス自体は継続 の見込みです。返礼品ラインナップの一部見直しはあるかもしれませんが、楽天カード決済によるクレカポイント還元も継続予定です。
A. いいえ。6割の基準は 法律(改正後の地方税法第37条の2第2項第2号イ) に置かれます。従来の「募集費用の合計額が寄附金の額の5割以下」という基準は総務省告示にありましたが、総務省資料に「第2条第2号の募集費用総額5割以下基準については削除する」と明記されており、削除されます。改正後の告示第179号には第4条「寄附金の活用に係る基準」が新設されています。
A. いいえ。告示の新旧を見比べると、食肉の熟成・玄米の精白について「当該地方団体の属する都道府県の区域内において生産されたものを原材料とするもの」という扱いは 改正前後で同内容 で、ただし書きに位置が移ったにすぎません。新たな規制ではありません。返礼割合の3割ルールも「変更なし」と明記されています。
A. 超過分は 純粋な自己負担(控除なし) になります。ポータルのポイント付与も廃止されているので、超えた分をカバーする手段はありません。年央までは概算で寄附し、残りを年末の精密計算で調整するのが安全です。
A. 必須ではありません。クレカ決済ポイントの還元率と、自分の好きな返礼品の取り扱いを比較するのが基本。メイン1つ+サブ1つ くらいの併用が、ラインナップ変更にも強いです。詳しくは ふるさと納税は楽天とYahoo!どっち? にまとめています。
A. はい、ふるさと納税は寄附 であって副業ではないので、公務員でも従来どおり利用できます。副業申請も人事への届出も不要です。
A. 総務省は令和8年8月20日の総税市第96号で、「コスパ」「特別寄附額」「特別規格」「家計応援」「物価高応援」など 通常よりも必要寄附金額が割安であると寄附者に認識させる表現 は募集適正基準に違反するおそれが高いとし、将来的な必要寄附金額の引上げを予告して募集を行うことも同様 としています。急かす表現を見たら、まず落ち着いて中身を確かめてください。
14. まとめ
ふるさと納税 2026年10月改正のまとめ
- ✓改正の本体は 6割ルール(寄附金活用可能額)。寄附総額から募集費用を引いた額を 60%以上 にする基準
- ✓根拠は告示ではなく 法律(地方税法)。旧「募集費用5割以下」の告示基準は削除される
- ✓いきなり60%ではなく R8:52.5%/R9:55%/R10:57.5%/R11:60% と段階適用。施行は令和8年10月1日
- ✓地場産品基準は「厳格化」ではなく 付加価値割合の算出方法の明確化と、証明・公表の義務化
- ✓返礼品の3割ルールは変更なし。熟成肉・精米の扱いも実質同一で、新たな規制ではない
- ✓募集費用の 支払先公表(100万円以上)は2026年9月から、193万円の特例控除上限は令和9年寄附分から
- ✓一般の寄附者が10月に向けて慌ててやることは基本的にない。手続きも控除も変わらない
- ✓総務省は 割安感を煽る表現・値上げ予告での募集 を募集適正基準違反のおそれありとしている(総税市第96号)
ふるさと納税は 「ルール改正に振り回される制度」 ではなく、「ルール改正のたびに本来の地域支援に近づいている制度」 だと僕は捉えています。今回の6割ルールも、要は 集めた寄附金のうち自治体に残る割合を、53.6%から60%以上へ戻す という話です。
だからこそ、寄附する側が焦る必要はありません。「10月から損する」と急かす記事ほど、改正の中身を説明していない——そこだけ覚えて帰っていただければ十分です。お気に入りの定番品があるなら、いつもどおりのペースで、上限額の範囲内で申し込んでください。
本記事は2026年8月31日時点で公表されている情報を前提にした、寄附する側の視点での一般的な解説です。具体的な制度運用・自治体ごとの対応・税額計算・控除適用などは、お住まいの市区町村の税務担当・所轄の税務署・税理士へ必ずご相談ください。返礼品の取り扱いや基準の解釈は今後の通知等で変更される可能性があります。
出典
- 総務省「ふるさと納税について(指定基準に係る告示改正)」令和8年3月24日(PDF):https://www.soumu.go.jp/main_content/001070694.pdf
- 平成31年総務省告示第179号(令和8年3月31日最終改正・PDF):https://www.soumu.go.jp/main_content/001065165.pdf
- 総税市第30号(令和8年4月1日・PDF):https://www.soumu.go.jp/main_content/001067748.pdf
- 総務省「ふるさと納税の指定基準の改正等について」令和7年6月17日(PDF):https://www.soumu.go.jp/main_content/001022276.pdf
- 総税市第96号「ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について」令和8年8月20日(PDF):https://www.soumu.go.jp/main_content/001088417.pdf
- 総務省 ふるさと納税ポータルサイト トピックス:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/
今年分のふるさと納税を、無理のないペースで
10月の改正で寄附する側の手続きが変わるわけではありません。クレカ決済分のポイントは引き続き付きます。上限額の範囲内で、欲しい返礼品があるときに落ち着いて申し込むのが確実です。
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公務員ヒロ
30代地方公務員 / 資産1,000万円超達成(民間→地方公務員)
「給料だけで資産1,000万円を超えるまでにやったことを、再現性重視で発信中。難しい知識は不要。」

